欧州では1975年から義務化
クルマを運転していると、晴天にもかかわらずバックフォグを点灯して前方を走っている車両を見かけます。霧や大雨など視界不良のときに被視認性を高めるのに役立つツールですが、晴天時の使用は後続車の目潰し攻撃にしかなりません。ドライバーは、3つの要点を最低限知っていないといけません。その要点とは?
単に暗いからと点灯していいわけではない
東京や大阪などの大都市では、1年に2~3日ぐらいしか霧が出ないが、北海道の釧路や根室、長野県の軽井沢では、年間霧日数が100日を超えると言われている。基本的に盆地や標高の高い場所、そして昼と夜の寒暖差が激しい地域では霧が発生しやすいといわれ、春や秋は霧が出やすい。
そんなときに役に立つのがフォグランプとバックフォグランプ(リアフォグランプ)。霧が濃いときに被視認性を高めるのに役立つツールで、欧州では1975年から濃霧時の追突事故を減らすために、バックフォグの装着が義務付けられているほど。
しかし、そんなバックフォグも諸刃の剣で、晴天時にバックフォグをオンにしていると、眩しすぎて後続車に対する目潰し攻撃にしかならない。というわけで、バックフォグの正しい使い方をここで復習しておこう。
基準になるのは国土交通省「道路運送車両の保安基準」第37条の2(後部霧灯)の項。そこには、次のように書いてある。
「後部霧灯は、霧等により視界が制限されている場合において、自動車の後方にある他の交通からの視認性を向上させ、かつ、その照射光線が他の交通を妨げないものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない」
つまり、「霧や吹雪、大雨などで視界が悪いときのみ点灯せよ」というハナシだ。
逆にいえば、濃霧や吹雪、大雨などで視界不良になったときは、積極的に活用しようということでもある。その代わり、暗いからといって好天時にバックフォグを点灯するのは御法度というもの。
というわけで、すべてのドライバーはまず次の3点について、最低限知っておくようにしたい。
1.愛車にバックフォグランプが装備されているかどうかの確認(なければ以下は不要)
2.バックフォグのスイッチの位置を確認
3.メーターパネル内のバックフォグ点灯のインジケーターの位置を確認
バックフォグのスイッチは、ウインカーレバーのライトのスイッチのそばにある車種もあるため、何かの拍子に触ってしまい、ドライバーが気がつかないうちに、バックフォグが点きっぱなしになっていることがあるので要注意だ。
そんなときでも、メーターパネルに橙色のライトの印のランプが点くので、悪天候時以外にこのインジケーターが点いているのに気づいたら、すぐにバックフォグのスイッチをオフにすること。
また天候が悪く、視界不良のときにバックフォグを点けたら、クルマを止めてエンジンを切るとき、必ずバックフォグも消すことを習慣にしよう。これさえ守れば、安全装備として大いに役に立つ。正しい使い方を守って、他人に迷惑をかけず、安全運転を心がけよう。