スーパーカー・サンデーの展示に理想的な1台
2024年3月1日〜2日、RMサザビーズがアメリカ・マイアミで開催したオークションにおいてレクサス「LFA」が出品されました。パールホワイトのボディカラーは、アメリカ仕様にはわずかに27台しかありません。そのほかにも、マッチング・ナンバー付きのスペアキーやミニカーなどが付属されていました。
500台生産されたうちの408台目に生産されたモデル
トヨタの高級車ブランドであるレクサスから、「Lexus F Sports Apex」を意味する「LFA」の名を授けられたスーパースポーツのプロダクションモデルが発表されたのは、2009年10月に開催された東京モーターショーでのことだった。それがいかに特別なモデルであるのかは、それまでさまざまなモーターショーで公開されてきたコンセプトカーの「LF-A」シリーズと、発表されてきたスペックからも明らかだったが、実際に500台の限定車として生産されることが明らかにされた時の感動は、今でも忘れることができないものだ。
日本市場向けには500台のうち200台が割り当てられたLFAだが(当初計画は165台だった)、3750万円という当時の日本車では最高価格にもかかわらず、購入希望者は当然のことながらその数を大きく超え、3カ月弱の期間をもって予約申し込みは終了。ここから抽選で購入者を決定するというシステムが採用された。つまり新車でLFAを購入できなかった熱狂的なファンは、市場に出回ることが限りなく少ない中古車を、ショップやオークションなどで探すほかないのが実情だったのである。
そのレクサスLFAが、出品車としてRMサザビーズのマイアミ・オークションに姿を現した。予想落札価格はじつに80万ドル~90万ドル(邦貨換算約1億1920万円~1億3410万円)。前に触れた新車時の価格と比較しても、その高騰ぶりはフェラーリの限定車に近い水準にまで達していることがよく分かる。ただし、今回のオークションでは流札となった。
ちなみに出品車は500台が生産されたLFAの中で408台目に生産された2012年式。鮮やかなパールホワイトのボディカラーを持つアメリカ仕様はわずかに27台しかないことも、人気を高めるひとつの理由になっているのかもしれない。インテリアはブラックのレザーパネルと、レッドのレザーシートのツートーンカラー。同色のレッドカーペットが採用されており、そのラグジュアリーな雰囲気は大いに魅力的だ。
さらにこのLFAには、新車時にレクサスからオーナーに贈られたギフト、LFAレースカーのケース入り公式マッチング・ナンバー・スケール・モデル、TUMIのラゲッジ2点セット、やはりマッチング・ナンバーのスペアキーやオーナーズブックなどが、そのまま添えられている。これもコレクターにとっては重要なポイントになるだろう。
フロリダ州に在住するオーナーによって入手されたこのLFAは、現在までの走行距離がわずかに7380km。フロントミッドに搭載される4.8LのV型10気筒エンジンをはじめ、メカニカルなパートのコンディションも良好で、もちろんメンテナンスは指定のスケジュールどおりに受けている。
トヨタの高級車部門、レクサスにおける最高峰のパフォーマンスカーであるLFAは、これまで生産されたスーパーカーの中でもハイエンドな領域に属する1台であり、また現代工学の驚異であり続けている。今回のオークションでは残念ながら落札には至らなかったが、サーキット走行はもちろんのこと、コンクール・デレガンスやスーパーカー・サンデーの展示に理想的な1台でもあるLFAは、これからもオークション・シーンで熱い視線を受け続けていくに違いない。