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パラモトライダー体験走行会にホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの国産バイク4台が初導入!「サイドスタンドプロジェクト」の活動とは

日本には優秀なバイクを製造するメーカーが数多く存在するのに、そのどの会社からも提供を受けていないことは、非常に残念なこと。これをきっかけに各メーカーの協力があることに期待したい

4台の国産マシンが導入された

早くも夏のような気候が続くようになってきた2024年4月19日(金)、千葉県にある袖ヶ浦フォレストレースウェイでは、一般社団法人SSP(サイドスタンドプロジェクト)が主催するパラモトライダー体験走行会が開催されました。これは、交通事故などによってバイクに乗り続けることができなくなった元ライダーに、もう1度バイクに乗る楽しさを体験してもらおうという企画です。

久しぶりのサーキットでの体験走行会

SSPのパラモトライダー体験走行会は、2020年から開催されている。その第1回目を行った会場がまさにこの袖ヶ浦フォレストレースウェイであり、このSSPの活動にも非常に協力的な施設のひとつである。その袖ヶ浦でのコースでのパラモトライダー体験走行会はじつに11カ月ぶりの開催となった。

通常はパドックを使用してバイク慣れの練習から行われ、そこで走行確認ができ、ステップアップが可能という判断がなされたパラモトライダーが、コース上での走行ができることになる。しかし今回は、この体験走行会ですでに走行経験のある、ステップアッププログラムを終了したパラモトライダーたちを対象にした走行会となる。

今回、パラモトライダー体験走行会に新しく4台のマシンが導入された。ホンダ「CRL Africa Twin DCT」、ヤマハ「R1」、スズキ「GSXーS1000GT」、カワサキ「Ninja 1000SX」の4台である。以前からこのSSPの活動に協力してきたSSPサポーターの「SDG」(エスディージー/2024年4月に「昭和電機」から社名を変更している)が、バイクの提供を申し出て、今回の導入に至った。

これまで、SSPでは練習用の小型バイクとは別に、大型バイクの提供を受けてきており、BMW、KTM、およびMVアグスタの大型車両がこのパラモトライダーの体験車両として使われてきた。以前から海外メーカーからの協力は受けてきていたが、国産メーカーからの協力は得られていなかった。

SSPのパラモトライダー体験走行会は約4年にわたり30回以上の活動を行ってきているが、その中で事故は起きていない。SSPの代表理事である青木治親はホンダ「RS125」で2度の世界チャンピオンを獲得しており、SSP専属パラモトライダーの次男・拓磨も「NSR500」で世界ロードレース選手権に参戦していた。

またSSPテクニカルアドバイザーとなっている長男・宣篤はスズキのライダーとして長年活躍してきた。さらに、2019年の「SUZUKA Sound of ENGINE」ではこのSSPのハンドドライブユニットを装着したヤマハ「YZF R-1」でウェイン・レイニー氏(元WGPライダー、1993年にレース中のアクシデントで以後車いす生活を送っている)が青木拓磨とともに鈴鹿サーキットを走行しているにもかかわらず、国産メーカーによる車両提供は実現してこなかったのだ。

今回は6名のパラモトライダーが参加した。今回はDCTモデル(クラッチ操作が不要)もあって、それぞれが車両を乗り換えながら、袖ヶ浦のサーキットを楽しんだ。

SDGは小型電動機の製造からスタートした会社で、大阪で1950年に創業している。現在は直動式送風機を中心に世界に事業所を設け、売上高94億円(2022年)のメーカー。モータースポーツにも力を入れており、全日本ロードレース選手権には「SDG Team HARC-PRO.」をはじめ6チーム・8名のライダーをサポートしてもいる。

ライディングギアの提供や場所の提供など、2輪業界各社からの協力はあったものの、国産バイクについてはSSPとしてはメーカーからの直接の提供を望んでいたわけだが、SDGの柏木健作代表取締役社長CEOから直接国産バイク提供の申し入れがあって、今回、考え方を変え、その申し出を受けることにしたという。

この素晴らしい社会貢献活動に、早く日本の2輪メーカーも加わっていただきたいものだと思う。

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