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イケイケなフィアット「パンダ」も大雨には勝てず…イタリアの最新道路事情を私的にレポートします【みどり独乙通信】

パンダ

街のいたるところにフィアット パンダ

大好きなワインディングロードを堪能できず……

ドイツ在住で、モータースポーツ取材のためヨーロッパを東奔西走している池ノ内みどりさん。イタリアへ取材に行く際は、愛車のBMW「M240i xDriveカブリオレ」でワインディングを走るのが楽しみのひとつです。しかし、今回は大雨ということで、お気に入りとは別のルートで向かうことに。そして、イタリア国内ではあの「天敵」と遭遇したのです……。

天敵パンダはいつもアグレッシブ

ボンジョ~ルノ トゥッティ! ということで、今年初めてのイタリアに行ってきました。今回の目的地はイモラ。WEC(世界耐久選手権)の取材です。

アルプス越えのドライブが大好きな私。今回もその予定をして入念に走るルートのチェックをしていたのですが、あいにくどしゃ降りの雨。仕方がないのでとても退屈なルートのブレンナー峠経由の高速道路を走り続けて行くハメに。

ミュンヘンからオーストリアへ入ってからはさらに寒さが増して、4月も終わろうとしているのに吹雪いてきて焦りました。大雨や吹雪でぐったりしながらイモラへなんとか到着したのでした。

イタリアも以前と比べて中型のミニバンが随分と増えた気がします。マジメに制限速度を守るワタシを執拗に煽るフィアット「パンダ」はここイモラでも健在です(苦笑)。イライラする! をクルマ全体で表現し、超接近したと思いきや、右に左にゆさゆさと蛇行し始めます。イタリアに愛車で行きはじめた10年ほど前はめちゃくちゃ焦りましたけど、最近はブレーキを小刻みに3回程踏んでみたり、知らんぷりを決めて法定速度で走り続けることにしています。イタリアの交通違反の罰金はドイツよりも高額なので、もし自己中パンダのために罰金を払うハメになったらアホらしい。

交通量の多い片側1車線の国道でも私のリアに超接近して抜いていくのを見ていると、自爆するかしないかのギリギリを攻めるイタリア人ってそんなにいつも急いでいるのでしょうか。トルクのないクルマで堂々と白線をまたいで、大型トレーラーが正面から迫る中でのオーバーテイクをする根性は見習いたくないですね。

ラウンドアバウトでも爆走恐怖のパンダは君臨します。先にリングに入っている方が優先なんですが、停止せずにジャンピングで突入してくる恐怖のパンダにもうんざり。パンダ……イタリアで最も売れているクルマなんですよね。日本でいうところの軽自動車感覚で乗られている便利なクルマなのでしょう。しかし、あの急なキックダウンや荒い急ブレーキで毎日酷使されている中古車は買いたくないなぁ(苦笑)。

荒れた路面と大雨で走るだけでもひと苦労

約半年ぶりのイタリア。レース取材の後はスーパーマーケットで食材の買い物をして、いつも定番となっているマラネロのフェラーリミュージアムに寄ります。しかし、なんということでしょう、この日はとんでもないどしゃぶりの雨。ステアリングを取られるほどの暴風でもあり、さすがに暴走パンダたちも大雨が収まるまで路肩に停止していました。

また、イタリアの一般道のアスファルトが非常に悪く、つぎはぎだらけで大きな穴も空いており、タイヤがバーストしないかハラハラでもあります。大雨で水たまりができすぎて、どこにその大穴が隠れているのかわからないのです。対向車が来るたびにコーヒー牛乳色の泥水の大きなしぶきが上空から降ってくるのですが、小石が多く含まれているので泥水を浴びたクルマに石が当たる音がして、なんともイヤな気分です。

そんなこんなでイモラから一般道でマラネロまでの約80kmを走って到着するも、大雨の大混雑でなかなか駐車場に入れずグルグル回るハメに。もう諦めて帰ろうかと思ったくらいでした。なんとか一瞬空いたスペースに素早くバック駐車をして、わずか数m先のミュージアムに入ろうと向かうも、傘は全く役立たず、一瞬のうちに全身ずぶ濡れ。いつも愛車に着替えの余分と靴の換えを積んでいるので助かりました。

じつはフェラーリには2つのミュージアムがあり、マラネロの本社のすぐ近所にある施設と、モデナにあるエンツォ・フェラーリ ミュージアムがあるので、両方に寄りたいと思っていましたが、この悪天候と極寒で断念してドイツへ戻ることにしました。まさか4月末のイタリアで暖房ポカポカのクルマに乗ることになるとは。そして、帰りもまた猛吹雪に……。

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