サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

なぜホンダ「N-BOX」が日本一売れているクルマなのか? Z世代が試乗してわかった軽の枠を超えた快適性と便利さとは

バカ売れ軽ハイトワゴンのN-BOXが2023年秋に3代目へ進化

日本で一番売れているクルマ、それはホンダの軽自動車「N-BOX」です。2023年度は21万8478台を販売し、普通車を含めて最も販売台数が多いモデルとなりました。そんなN-BOXは2023年10月にフルモデルチェンジして3代目に。日本一売れているクルマの新型には実際に乗ってみないと! ということで、20代若手自動車ライターが新型N-BOXをさまざまなシチュエーションでチェックしてみました。

走りだす前から驚きの連続!

広報車をお借りしてさっそく試乗しようと、荷物を後部座席に置くためにリアドアを開くと驚かされました。軽自動車の電動スライドドアとは思えないほど開閉が静かなんです。正直、普通車のスライドドアでも、このレベルの静けさはちょっと珍しいかもと思うレベル。いきなりN-BOXに驚かされることになりました。

そして、車内に入るとその広さに圧倒されます。「これが軽自動車か?」と思ってしまうほど。広々としていて視界も良好。また細かな小物入れなどもサイズ感や仕切りなど、実用性の高い作りとなっていて、「頭いいなぁ、よく考えられているなぁ」と感心させられるものばかりです。このあたりはキッチリとリサーチされているなと感じるポイント。こういったきめ細かな配慮が「日本一売れているクルマ」の理由のひとつなのでしょう。

高速道路でもラクラククルーズ

試乗を開始すると「静かさ」という面でさらに驚かされました。街中では軽自動車とは思えないほど静粛性が高いです。ロードノイズをはじめ、エンジンなどのメカニカルノイズもかなり目立たない存在となっています。そして低速域で感じたのは乗り心地が良いこと。全体的に角が取れていて、静粛性の高さもあって乗り味は非常になめらかな印象でした。

高速道路に入り、合流するために加速。今回お借りしたのはターボエンジンのグレード「カスタム」であるため、合流もストレスなく可能です。驚いたのは新東名の120km/h区間も快適にクルーズしてくれるということ。さすがに風切り音は普通車と比べると少し気になりますが、軽自動車として考えると上質といえます。また、ACCも付いていて、とっても高速クルーズは快適。軽ハイトワゴンとは思えないほど直進安定性も高く、高速道路ではドライバーの疲労感が想像以上に少ないのが印象的なポイントでした。

じつはN-BOXは現行の軽自動車の中でも、ホイールベースが最も長いのが特徴のひとつ(「N-ONE」や「N-VAN」も同じで2520mm)。このホイールベースの長さも高速クルーズのラクさにひと役買っていそうです。

ワインディングでも走りに不安なし!

ワインディングの登りでもターボエンジンはグイグイと車体を引っ張り、ストレスを感じることはありません。これは先代モデルでも感じたポイントですが、トランスミッション(CVT)の制御が秀逸で、トルクバンドを外さないことも大きく影響していそうです。

コーナリングでも、常識的なペースで走る分には「ロール感が大きくて不安……」と感じるシーンはありませんでした。あらゆるシチュエーションで軽自動車とは思えないほど快適な乗り味を実現していると感じることが多かったのが、印象に残った試乗体験となりました。

「軽だから」だけでなく「N-BOXだから」な魅力が満載

N-BOXが売れているのは安くて買いやすい軽自動車だから、という側面はもちろんあるでしょう。しかし、反対に「軽自動車の値段は高くなった。もはや普通車のコンパクトカーでもいい」という声も世の中にはあります。

でも実際にN-BOXに乗ってみると、バリエーションが豊富なシートアレンジや運転がしやすい視界の良さ、細かな収納の数々など、「N-BOXだからこそ」な魅力にもあふれているクルマでした。独自の魅力にランニングコストが安い軽自動車というカテゴリー、そして軽自動車の枠を超えているのではないかと思わせるクオリティ。そんなさまざまな魅力が総合的に融合しているからこそ、高い人気を誇っているのだと改めて実感したのでした。

モバイルバージョンを終了