昭和の商用軽バンの可愛らしさをご覧あれ
軽自動車の排気量が360ccだった時代。実用性とともに、そのデザイン性で人気を集めたのがスバルの2代目「サンバー」です。対象車種は排気量550cc以下のみの旧車イベントに美しくレストアしたサンバーで参加した石川幸司さんに、その魅力を教えてもらいました。
荷物を多く詰める商用バンが大好き
スバル「サンバー」は、1961年に発売開始された軽商用車だ。車体の後部床下にエンジンを搭載することでオモリの役割を果たし、荷室が空の状態でも充分な駆動を確保。それにより、安全かつ安定した走行能力を発揮できるため、軽自動車を販売する国産自動車メーカーのなかでは、スバルのみが長年に渡って採用してきた車体レイアウトだ。
今回ご紹介するサンバーは、2023年11月5日に愛媛県四国中央市で開催された「第12回 U-550旧軽自動車ミーティング」に参加していた1台。1966年から1973年まで製造された2代目で、ダミーグリルを持たない前期型だ。バンパーなどのメッキパーツはピカピカに磨き上げられ、車体に似合ったホワイトリボンタイヤを装着。内装なども綺麗に仕上げられており、オーナーの愛情を深く感じ取れる雰囲気が漂っていた。
当時のスバル車には可愛らしさが溢れている
「この車両を手に入れてから22年目になります。近所の鈑金屋さんがずっとレストアしていたクルマをそのまま譲ってもらったのです。何年も動いていないのは知っていたので、私がこの後を引き継ぎますよ、ということでね」
エンジンはしっかりと動き、外装類もある程度は補修が完了した状態だったということで、そこから少しずつ手を入れて、現在の状態まで完成させたというオーナーの石川幸司さん。元々はスバル「360」が好きで何台も所有してきた経験がある。現在も1968年式の「360 スーパーデラックス」をはじめ、1971年式スズキ「フロンテ」、1969年式日産「サニー」(後期型)など、様々な国産小型旧車を所有している。
「その昔、友人が360に乗っていました。彼が結婚を期に手放すことになり、それを譲り受けたのが360に乗りはじめたきっかけでした。この時代特有の丸いデザインが可愛らしくて好きですね」
今回は自宅から会場までが100km未満だったため、自走で参加してきた。ほかには「大阪レトロカー万博」も自走で参加したという。また、「門司港レトロカーミーティング」には積載車を使って参加するなど、各地の旧車イベントにも精力的に顔を出している。
日常使いではなくイベント用としてサンバーをはじめ、各車との生活を楽しんでいる石川さんだった。