家族のために諦めてきたGT-Rの夢
日産を代表するスポーツカー、日産「GT-R」を得意とするチューニングショップには、個性的なオーナーと愛車が訪れます。三重県にある「CREWCH（クルウチ）」もそのひとつ。同店に通うオーナーたちの中から、約20年越しで念願のGT-Rにたどり着いた小山訓充さんをご紹介。念願かなって手に入れたR35と過ごす濃密なGT-Rライフとは？
三重から千葉まで出向き大切な相棒を迎え入れた
20歳のときにトヨタA70型「スープラ」と日産R32型「スカイラインGT-R」のどちらを選ぶか悩んだ末に前者を選択。しかし友人のR32と乗り比べて、R32にしておけばよかったと後悔。次はGT-Rを、と考えていたそうだが、R33がデビューしたときは第1子、R34を買おうと決断したときは第2子が誕生。結局、家族優先となりセダンやミニバンから降りることは叶わず。約20年間、GT-Rに縁がなかった小山さんが、念願かなってR35型を手に入れたのは2017年のことだ。
「子どもが大きくなり、今度こそGT-Rをと思って探し始めたとき、インターネットで千葉日産が創業75周年の目玉として、当時2年落ち（2015年モデル）のR35型を750万円で販売するとの情報をキャッチ。1オーナーで走行距離は1万数千kmでした。当時の中古車相場よりも150万円ほど安かったこともあり、即電話でキープをお願いし、急ぎ三重から千葉まで出向いて購入しました」
じつはCREWCHにも探してほしいと依頼していたそうだが、なかなか条件にあった個体が見つからず、やむなく千葉で購入となった。しかし、自宅から一番近く、GT-Rの取り扱い台数も多く、カスタマイズにも精通していることから、メンテナンスからチューニングまですべてCREWCHに依頼している。
エクステリアのモディファイにはこだわりアリ
現在の仕様はトップシークレット製のM17フロントバンパーセット／GTフロントワイドフェンダー／サイドディフィーザーVer.1に、KansaiサービスのGTウイングを組み合わせたビジュアル重視。そのイメージに合わせ、ホイールは久留内社長からのアドバイスでRAYSのVOLK RACING G025を選んでいる。
エンジンはECMをCREWCHオリジナルに交換し、排気系をバルブ付きのオリジナルマフラーに交換した程度だが、「速さもサウンドもこれで十分に満足」とのことだ。
「エアロパーツを真っ先に装着したのは、スープラでエアロパーツを組む直前で結婚、売却となった心残りからです。なので、いくら掛かっても好きなようにしたい。そんな思いで真っ先に外観から始めました。とにかく、厳つくしたい思いがあり、パーツは久留内社長と相談して決めています。斜め前方から見たときにリアウイングがグッと張り出しているルックスが好みですね」
リアアンダーが純正なままなのは、後ろからはあまり見てもらえないからと考えたためだが、ここまでやると、ややボリュームが足りないかも、と現在思案中。こうしてあれこれ考える時間もやはり楽しいものだ。変化を楽しみながら、理想の形へとカスタマイズを進める小山さん。サーキット走行にも参加し、R35の性能をフルに開放するなど、GT-Rライフを存分に満喫中。まだまだ楽しみは尽きそうにない。