イギリス軍のウルフ仕様のベースとなった限定450台の貴重な記念モデル
2024年4月20日に埼玉県のサイボク内特設会場で開催された「Defender Collection Owners Meeting」には、数多くの新旧ディフェンダーが集結しました。そんな会場で見かけた気になる1台にフォーカス。今回は貴重な限定車を軍用仕様にしてしまったランドローバー「ディフェンダー90」を紹介します。
まるで軍用車のような装備満載のディフェンダー90
約50台の新旧ディフェンダーが集結した中で気になったのが、まるで軍用仕様の「ディフェンダー90」だ。オーナーの下村さんは、普段この車両で軍用トレーラーを牽引してキャンプを楽しんでいるそうだ。
ディフェンダーは90、110、130インチの3種類のホイールベースがあり、それぞれにステーションワゴンやピックアップといったボディバリエーションが存在する。今回紹介するのは一番短いディフェンダー90のステーションワゴンだ。ツルハシやスコップ、牽引ロープなどが装着されたオリーブグリーンの外観は、まるで軍用車のような雰囲気だ。どうやって入手したのか伺ってみたところ、下村さんから想像もしなかった驚きの事実が語られる。
ほぼ原型は留めていないがベースとなったのはV8搭載の限定車
「じつはね、このクルマ、V8エンジン搭載の限定車がベースなんです。軍用装備は全て自分で集めたものです」
ランドローバーは、1998年に生産50周年を記念して日本国内で450台限定のディフェンダーを発売。この限定車は右ハンドルで、レンジローバーと同じ4LのガソリンV8エンジンとZF社製4速オートマチックが搭載されたのだ。
下村さんは、そんな貴重な限定モデルを1999年に新車で購入し、以来25年間乗り続けてきた。そしてそんな貴重な限定車をベースに、なんとイギリス軍で使用された「ウルフ」という車両をモチーフにカスタムしてしまったというわけだ。
「もはや限定車であることがわかるのは、革巻きのステアリングと、シフターの後ろにあるシリアルナンバー入りの記念プレートぐらいですね。でもV8エンジンとオートマなので、かなり快適ですよ」
軍用車のディテールを追求し各部モディファイの日々
カーペットはもちろん、断熱材も全て剥がしたうえで、オリーブグリーンでペイント。さらに軍用車であるウルフの内張りを入手し交換。ツルハシやスコップといった装備を追加していった。フロントバンパーも軍用車風に中央にフックを設けるなど、ディテールを追求。
その他にも、本来限定車は専用のアルミホイールとなるが、あえてスチールホイールをチョイスし、タイヤも古いパターンが特徴のグッドイヤーG90という7.50R16サイズのタイヤを探し出して装着するなど、徹底して各部に手が入れられている。
「でもシュノーケルの形状が軍用車とは異なったり、各部の電球が軍用仕様とは違ったり、細かな部分はまだまだなんです。今後も楽しみながら、ディテールアップしていく予定です」