車検2日目は総合優勝を争う名門が続々登場
ドイツ在住でモータースポーツの取材を精力的に行う池ノ内みどりさん。2024年もヨーロッパ3大耐久レースと言われる、伝統のル・マン24時間レースを取材しています。車検2日目は、ポルシェやフェラーリ、そしてTOYOTA GAZOO Racingが登場して会場も盛り上がりました!
朝一番からポルシェのワークスチームが車検へ
ル・マン24時間耐久レースへ向けて、ル・マン市内で開催された公開車検の2日目の様子をお伝えします。私は今年も民泊を利用し、一般のフランス人女性の一軒家に泊めていただくことで宿を確保しました。ステキなお家からトラムの駅まで12分ほど。朝のお散歩がてらに丁度よい距離です。
初日は地元フランス勢のアルピーヌとプジョーの熱気がとんでもなかったですが、2日目はどうでしょうか? 車検2日目のトップバッターはポルシェ・ペンスキー・モータースポーツということで、早起きをして朝一番に行われるポルシェ「963」の車検の様子を見に会場へ。
ペンスキーのワークスポルシェ3台のあと、プライベーターチーム「プロトン・コンペティション」の963らが続き、いよいよフェラーリの登場です。フランス勢のアルピーヌやプジョーの大敵で、人気はあまりないのかな? と思いきや、ポルシェを上まわる人気です。
2018年から5連覇という強さを見せていたTOYOTA GAZOO Racingを破っただけではなく、2023年のル・マン100周年の記念の年に総合優勝を果たし、歴史に名を刻んだ名門。運搬車から3台並んで降ろされた姿はじつに圧巻でした。フェラーリ自体、美しさとエレガントさを兼ね備えたスーパースポーツカーで、特別なオーナーだけが手にすることができるクルマですが、この「499P」はそれらの集大成のように思います。
車検を受けている間には、ドライバーのトークショーが舞台上で行われているのですが、フランス語を話せるドライバーはファンの方にとってもありがたいことでしょう。英語でのインタビューもしているのですが、地方都市のせいか、日本人と同様にフランス人の方は英語が苦手な方が多い印象です。私は典型的な日本人なので、英語は非常に不得意なだけに、フランス人の方とは親近感があります。ちなみに宿のオーナー女性(推定40歳)はほぼ英語の理解力がゼロなだけに、お互いGoogle翻訳の音声版を使用して話しているほどです。
そして、いよいよ日本のファンお待ちかねのTOYOTA GAZOO Racingの「GR010ハイブリッド」の登場です。私はWEC(世界耐久選手権)の開幕戦であるカタールからイモラ、スパと、現地で連続してこのカラーリングを見ていて慣れているはずなのですが、黒いマットなマシンはル・マンという地で見るとなんだかまた違った風に見えるものです。とんでもない数のメディアが一斉にカメラを構えていて、そのざわめきで気付いて、慌てて私も走ってマシンへ向かいました。
土曜日ということもありファンも多くパレードランも実施
この日は土曜日ということもあって、車検1日目よりもさらに大勢の人が街の中心地のレプブリック広場に集まっていた印象です。
最終車検の14:50を終えると、街の中を一斉に車両通行止めとし、それどころかトラムもル・マン駅を終点にするという徹底ぶりで、街の中をレーシングカーがパレードラン。ちなみに私はTOYOTA GAZOO Racingの車検の写真を撮ってから、一旦サーキットへ向かってメディアセンターへ。その日からメディアセンターがオープンするので、席とロッカーを確保するためです。ほぼオープン時間に到着できたこともあり、ガラガラで助かりました。
ル・マンやWEC(世界耐久シリーズ)では、空いている席に勝手に座って良いラウンドもありますが、自由に選べないところもあるのです。ル・マンは誰か先に行っている友人に席を確保してもらうということはできません。
パドックやファンエリアのショップは設営中で何も購入できなかったのですが、自動車メーカーの出店エリアは狙い目で、ル・マンだけで販売される限定Tシャツやグッズが販売していることもありますので、今年は出遅れないようにしたいと思います。2023年はポルシェのカラフルなカラーリングをモチーフとした963のTシャツがあっという間に売り切れてしまって本当に残念でした。今年は何が出るのかワクワクします。出遅れないようにしないと!
サーキットから急いで街へ戻ったのですが、少々出遅れて残念。ヒストリックカーに乗ったドライバーパレードは金曜日にありますから、ル・マン24時間レースの決勝の日を迎えるまで、盛りだくさんのファンサービスがあるのは嬉しいですね。