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ランボルギーニが男女平等に最も配慮した企業の認証を取得! スーパーカーブランドが取り組むダイバーシティ活動とは

IDEM認証を取得した。これは、自動車企業で初の認証で、男女平等問題に最も配慮している企業のひとつであることを示すものである

ランボルギーニが取り組む全方位的なDE&I

5月はヨーロッパでは1カ月間ダイバーシティ月間に指定されていますが、ランボルギーニはさまざまな認証の取得から、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性)、すなわち「DE&I」の支援と意識向上を目指す多くの具体的な活動を実践しています。自動車業界ではトップを走るランボルギーニが取り組む全方位的なDE&Iの好例について紹介しましょう。

男女平等問題に最も配慮している企業という認証を取得

2024年5月末で欧州ダイバーシティ月間は終了したが、ランボルギーニはダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DE&I)を支援する取り組みを続けている。ここ数年来、ランボルギーニは、ウェルネスから子育て、トレーニング、コミュニケーションに至るまで、さまざまなプログラムを通じて従業員の意識を高め、サポートすることを目的とした活動を推進してきた。2024年についても、これらの問題に対する支援と啓発を含む数多くのプロジェクトが計画されている。

2022年、ランボルギーニは、DE&Iへの取り組みに関してIDEM認証を取得した。これは、自動車企業で初の認証で、男女平等問題に最も配慮している企業のひとつであることを示すものである。ランボルギーニは、平均的な男女差がわずかである給与や、育児をしやすくする環境の保護と親の育児休暇の柔軟性を確保する方針などによって、組織としての面で際立っているのである。

これらの問題に対する同社の取り組みをさらに示すものとして、同社はUNI/PDR 125:2022認証も取得し、毎年これを維持・確認し続けている。この認証は、成長機会、同一労働同一賃金、育児保護方針に関する男女格差をなくすために取られた措置を評価するものである。

専門家の力を借りて企業文化と人々の意識の一致を促進するプログラムを実施

そして、企業文化と人々の意識の一致を促進する目的で、ランボルギーニは、啓発、インスピレーション、教育を目的としたコンテンツやイベントの公開プログラムを含む、包括的な「言葉」に関するキャンペーンを開始した。 これらは、場合によってはジェンダーの固定観念を強める可能性のある表現を正しく使用することを教育することを目的としている。さらに、同社が関与している作家、哲学者、言語学者、社会学者の支援を得て、同社の戦略の中核をなす多様性に関する時事問題を取り上げる。最近の重要なイベントとしては、ボローニャFCの女性選手たちとの座談会「男女平等はステレオタイプに対抗するフィールドに立つ」があり、参加者は女性選手たちの経験をもとに、サッカー界がジェンダーバイアスにどのように対処しているかについて話し合った。

この取り組みでは、ミーティングだけでなく、社員がいつでもアクセスできるコンテンツも用意されている。ランボルギーニは、強力な企業文化を創造することを目標に、ランボ・トークスとランボ・ポッドキャストを通じて定期的にコンテンツを提供し、その分野の専門家の証言を通じて、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンの問題を取り上げている。また、職場での無意識バイアスとハラスメントをトピックとした一連の研修も、意識啓発のツールとして重要な位置を占めている。社内でゼロ・トレランス・ポリシー(あらゆる例外を許さない施策)が発表されて以来、適切な報告・監視システムも導入されている。

親であることを保護するための福祉政策や地域社会とのプロジェクトも実施

また、男女平等に関する全体的な企業ビジョンに沿って、働く親であることから生じるケアの負担と責任を公平に分配することを可能にする「シェアード・ペアレンティング」のモデルを促進する、家族への直接的な支援も中心的な重要性を持っている。例えば、育児休暇期間のための経済的補助や、家族の病気や病気見舞いのための有給休暇、子どもを保育園や幼稚園に入園させるための有給休暇など、親であることを保護するための福祉政策を実施している。さらに、「ひとり親」や障がいのある子どもの親には特別な保護が保証されている。また、「ママ&パパ・コーチング 」は、新しい母親と父親が、子どもの誕生によって必然的に生じる変化について専門家に相談できるようにする企業イニシアチブであり、非常に高い評価を得ている。

また、ランボルギーニの取り組みは企業の枠を超え、地域社会にも及んでおり、同社が長年にわたって開発・支援してきた数多くのプロジェクトがある。その中でも、ランボルギーニ車は、他の企業との協力のもと、ボローニャの企業コミュニティである「Rete Capo D」を設立した。Rete Capo Dは、とくに学校と教育環境に重点を置き、機会均等の意識を高めることに取り組んでいる。

キャンペーン、コラボレーション、プロジェクトを通じて、ランボルギーニは、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンの文化を広め、障壁や先入観を超越し、自動車業界の好例であり続けることを目指している

AMWノミカタ

DE&Iという言葉は最近多く使われるようになったが、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性)の略である。すなわち人種、性別や障がいなどを問わず、そして誰もが公平で尊敬される社会を目指すという活動である。世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が発表した2023年のジェンダーギャップ指数を見てみると、イタリアは79位に位置する。男性の1に対して女性は0.705ポイントなので経済・政治・教育・保健の4分野でおおよそ7割しかその恩恵は受けられていない計算になる(ちなみに1位はアイスランドの0.912、日本は125位の0.647である)。そんな社会的風土のなかでここまでの取り組みをしていることは、イタリア国内ではかなり先進的な企業のようにうつる。

ランボルギーニは国際的な企業なのでルールや社会的な責任としてここまでの取り組みをしているのだろうと思われるが、一方で優秀な社員を手放したくないという思惑もあるのであろう。企業にとって優秀な人材は財産である。そして社員の高いロイヤリティはきっとプロダクトに反映されるはずである。ランボルギーニがこれからどうやって私たちをワクワクさせてくれるか期待したい。

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