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「ル・マン24時間レース」が超人気のワケとは? 街あげての一大フェスの主役は昨年に続きフェラーリでした【みどり独乙通信】

フェラーリ優勝

ウィニングカーのパレードランはいつ見ても感動します

ナイトセッションは雨に……

伝統のル・マン24時間レース、2024年6月16日に行われた決勝は天候に恵まれず夜には雨となりました。それでも熱狂的なファンがサーキット内にとどまって、行く末を見守っていたそうです。まるでフェス会場のようなル・マン24時間レースの一側面をレポートします。

メディアセンター内も夜中には休息モードへ

決勝日の朝はとてもスバラシイ初夏の陽気でしたが、スタートを迎えるころには厚い雲に覆われてどんより。スタートこそ雨は降らず、日没前にはステキな夕陽が見えたのですが、よくもまぁこんなに降る? という感じで日付が変わる前くらいからどしゃぶりに。ですが、午前1時前にはお月さまが出たりと、なんともフシギな感じでした。

でもまた午前2時過ぎから雨が降りだし、すぐどしゃ降りとなり視界は非常に悪く、ついにセーフティカー先導でゆっくり走るだけで4時間半という時を過ごすことに。その間にセーフティカーの3台が次々と燃料切れとなるといった不測の事態を乗り越え、そして夜が明けてもまだぐるぐるセーフティカーの後ろを走り続ける……。数多くのファンは午前0時前後に宿や自宅に戻ったようでしたが、熱心なファンは寒さと大雨に凍えながらグリーンフラッグの振られる時を待っていました。

深夜のメディアセンターも取材者の数は少なくなり、私は床に横になってダウンジャケットに包まっていました。ル・マンのメディアセンターは窓はあるのですが、開かない構造で換気ができないためいつも空気が悪く、加齢臭に汗臭に食べ物臭などでとんでもないニオイが充満しています。私もそのニオイの一因なのですが。

お腹が空いたので、ドイツのスーパーで買ってきたインスタントのフォーを食べました。私はお店で食べるフォーは大好きなのですが、このインスタントはとんでもなくダメな感じ。でも、空腹には勝てず完食。最近のヨーロッパではアジア食ブームで、数年前のようにカップ麺を食べているとフシギな目で見られることもなくなって嬉しいですね。

ところで、ル・マン24時間レースは世界最高峰の24時間レースと称されていますし、それはまぎれもない事実で熱心なレースやクルマのファンでサーキットやその周辺はあふれかえっています。その一方で、私はレースを通して楽しむ超巨大フェスだと感じています。観覧車やお化け屋敷、さまざまな乗り物や射的があったり、フードコーナーではおいしい誘惑がたくさん待っていて、かなり割高価格にもかかわらずお財布の紐が緩んでしまうのも十分理解ができます。

パドック裏には大きなDJのイベント会場もあり、エキゾーストノートにも負けないノリノリの音楽とダンスを楽しむ人たちもいます。また、レースウィークの通し券を持っていれば毎日何回でもサーキットへの出入りはOKですから、疲れたら一旦宿や自宅に帰るもよし。もちろん、街をぶらぶらしに行くもよし! とにかくちびっ子からシニア世代まで、国籍や年齢、性別を問わずみんなが楽しめるイベントだと思っています。規模や形態は違っていても、101年前から続いているこのル・マンは伝統的なお祭りのひとつとなっているのではないでしょうか。レースやクルマに興味がない方も、ここへ来ればその見方も変わるかもれませんね。

レース再開後は手に汗握る展開!

101年目のル・マン24時間レースは、長い長いセーフティカーからのグリーンフラッグが振られてレースが再開されると、残りの時間は超スプリントレースとなりました。とくにハイパーカークラスは最後の最後まで一体誰が勝つのか予想ができないほどの大バトルを繰り広げ、50号車のフェラーリが総合優勝! 2位の7号車トヨタとはわずか14.211秒という僅差でした。チーム関係者とファンが歌い上げたイタリア国歌の大合唱はじつに鳥肌ものでした。

ル・マン24時間レースの100周年を祝った2023年と、その次の新100周年に向けた2024年は見事なフェラーリの連勝となりました。2023年、フェラーリは50年ぶりにル・マンへワークス参戦を果たした年でもありました。私はといえば、高価過ぎて躊躇していた「499P」のグッズを買わなかったことをちょっぴり後悔したのでした。帰りに誰かが着用していたTシャツやスウェットを見て欲しくなる、謎現象が発症してしまいました。

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