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「ル・マン24」翌日、自分の車でコースを巡る聖地巡礼! 縁石は想像以上に鋭角で高さがあるので要注意です【みどり独乙通信】

ミュルサンヌの縁石に乗ってみる人も。かなり鋭角なのであまりお勧めできませんね

ル・マン24時間レースの取材を終えて……

伝統のル・マン24時間レースの取材を2024年も終えた筆者。民泊先でオーナーや同居人と最後のパーティを楽しみ、翌日にはドイツへ戻るべく出発。帰路につく前に、激闘が繰り広げられたコースを自らドライブしてみることに。あらためてレースのすごさを実感することになったのでした。

民泊仲間と自動翻訳禁止の英会話パーティを開催

ル・マン24時間レースの過酷でもあり、楽しかったレースウィークは終わってしまいました。やり残したことは来年への宿題にして、民泊でお世話になったフランス人女性バーバラさんのお家を去る日がやってきました。美しいバラが咲き乱れるステキなお家。2023年に偶然見つけて、今年も予約。そして来年の分も予約して帰りました(笑)。

バーバラさんや愉快な同居人たちと私を含めた全員が、英語が不得意。ましてや私はボンジュール、サヴァ、メルシー以外のフランス語は理解できません。そこでみんなで英語チャレンジ! と題して、極力スマートフォンの翻訳機能を利用せず、むちゃくちゃな英語でもいいから頑張って直接会話してみようということに。

結果、バーバラさんのお母様やボーイフレンドも加わり、夜な夜な健全なティーパーティで盛り上がりました。2025年は日仏料理大会をすることに決まり、今からどんなメニューがよいのか考えています。手巻き寿司、唐揚げ、餃子?

話を聞くと、なんと彼ら地元のル・マンの方たちは一度もル・マン24時間レースを見に行ったことがないというではないですか。しかし、よく考えてみると、私もミュンヘンではオクトーバーフェストに行くのは日本からお客さんがいらしたときだけ。最後に行ったのは一体いつでしょう? また、コンサートやイベントが多いオリンピック公園のすぐ側に住んでいるのですが、とんでもない人出と渋滞なので行くことは稀です。ル・マンの地元のみなさんも、案外同じような心境なのかもしれません。

多くのドラマが生まれたコースを実際に走って思い出づくり

さて、狭いクルマへ大荷物をギューギューに詰めて、ドイツの自宅へ戻る前にル・マン24時間レースが開催されていた公道部分のコースを1周します。これはなんだか毎年の恒例行事となっていて、あらためてこのレースのすごさや魅力を再発見できます。

まずはテルトル・ルージュからミュルサンヌまでの超ロングストレート(途中に2カ所のシケインあり)。このミュルサンヌのシケインの裏手にはibisホテルがあり、その手前のグラベルによく突っ込んでいるマシンを見ましたが、超ハイスピードのストレートから高速シケインは、ブレーキングポイントを一瞬間違えただけでも大変なことになります。レースが終わって平和な公道に戻りましたが、そんなことを考えるとハラハラしたレースだったことをあらためて思い出します。

ミュルサンヌからインディアナポリスまでも長いロングストレートで、ハイパーカーなら約340km/hで疾走している所ですが、普段は80~90km/h規制となる公道です。フリープラクティスの際、私もコースサイドに立ち、ここを超ハイスピードで3~4台が横並びになって駆け抜けていくのを見ました。あらためてコースを法定速度で走ってみると、それがどれだけとんでもない異次元なことなのかを知ることができ、ガードレールの内側から見る景色と、運転席から見る景色ではかなり印象が違うことを実感。ドライバーの高い集中力とスキルはもちろんのこと、そこを一瞬も目を離さず見守るコースマーシャルの研ぎ澄まされた感覚……このレースに関わるすべての方の尽力によってレースが成立していることにあらためて感謝をしました。

じつはこのレース翌日の聖地巡礼をしているのは私だけではなく、ファンの方も見かけます。なかには高い縁石に愛車で試しに乗ってみる方も。レース後の撤収作業や通行止めになっている所もありますし、安全にクルマを停められる箇所も限られていますが、ここを走ってみる価値はあると思います。

行く先々、停めて写真を撮るポイントが一緒だったフランス人シニアご夫妻から、「残念ながら優勝は逃したけれど、トヨタのレースは素晴らしかったね」とスマートフォンの自動翻訳機能でお声がけを頂き、なんだかほっこり。お互いに気をつけて家まで運転して帰りましょうね! とお別れしたのでした。

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