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シボレーC6型「コルベット」を『ウマ娘プリティーダービー』の痛車に! こだわり抜いて完成までに3カ月かかった理由とは

シボレー コルベット:1枚物のデザインにこだわり、その特別な施工が出来る東京都のショップ「ディバイド」に依頼して製作した

 

シボレー コルベットのウマ娘ツインターボ仕様

日本が誇るカスタム文化は数あれど、その成長が目覚ましいカーカルチャーといえば「痛車」の世界です。近年、その注目度と数は増加中で、全国各地で小規模イベントも多数開催。さらに、1年に1回開催されるお台場のイベントでは約1000台もの痛車が集まり大きな盛り上がりを見せています。ここで紹介するシボレーC6型「コルベット」を痛車仕様として作り込む“とともふ”さんも、そんな痛車の世界にのめり込んだひとりです。

痛車界でほとんどいないコルベットなら目立つかも!

シボレーC6型「コルベット」を痛車仕様に仕上げた“とともふ”さん。痛車というカスタム文化を知る前は、普通のクルマ好きであり、またアニメも大好きであったわけだが、よくクルマのイベント会場で痛車のカスタムカーを見るようになってから興味の対象として調べるようなり、そこからどんどんのめり込むようになったと話す。

“とともふ”さんのこれまでの車歴はマツダ「デミオ」からはじまって、「CX-5」を2台乗り継ぎ、一生のうちに一度は愛車として所有したいと思っていたC6コルベットを5年前に購入。しばらくストックボディの状態でホイールのみを交換したスタイルで楽しんでいたが、ちょうどその頃、痛車に興味を持ち始めて、ベース車として、痛車界においてほとんど存在しないC6コルベットで作り込んだら目立つかも! という発想から、彼が当時ハマっていた『ウマ娘プリティーダービー』に登場する推しキャラ「ツインターボ」を描くコルベット痛車計画を始動させた。

ちなみに、このツインターボというキャラを公式ホームページで確認すると「暴走!爆走!いつでも走り回っている全力少女。 自分の限界を知らないため、ギリギリまで追い込んでしまう……のだが、極限状態を楽しんでいるフシもある。 同世代に比べ幼い性格で、臆面なく人に感情を伝えられる、よく言えば素直、悪く言えばワガママだけど憎めないムラッ気ウマ娘」ということだった。

痛車同士の競い合いによって、よりハイレベルなアートに進化

ツインターボが走りに対して特にどん欲なキャラということで、“とともふ”さんが愛車に描くデザインもスピード感を意識している。その表現法は、運転席側は追い越し時にキャラクターが全力で走り抜けていくスピード感あふれる姿を描き、助手席側は停車時にキャラクターを見てもらうために、走っているが少しゆるめに流している感じを表現する。

また、C6コルベットの特徴であるボンネットは、通常は120cmのラッピングシートを使って貼り合わせるスタイルが一般的だが、“とともふ”さんは1枚物のデザインにこだわり、その特別な施工ができる東京都のショップ「ディバイド」に依頼。実際の貼り込みラッピング作業は2日間だったが、デザインの打ち合わせから修正までも含めると、その間、約3カ月ほどかかった渾身の力作だった。

痛車は「魅せること」が大事な要素だけに、「デザイン」という工程は通常のカスタムに用いられるパーツと同様に要となる。ここは痛車乗りにとって一番大切な部分で、どんな絵を描くかライバル同士がしのぎを削る「競い合う場」であり、オーナー自身のセンスが問われる点となる。したがって、どの痛車乗りも例外なく、キャラクターの表情、構図、図案には一番こだわり、細かなところまで含め妥協することなく追求する。そうしたオーナーたちのこだわりによって、現在、ラッピングによって飾られるカーグラフィック文化には世界のカスタムシーンも注目しており、その技術は痛車オーナーによる高度な要求によって、日本が最もハイレベルな技術を持っているといえる。

“とともふ”さんのC6コルベットの見た目からも伝わる通り、この痛車というスタイルはアートな作品と言ってもいいのかもしれない。日本が誇るアニメ文化とカスタム文化の融合。このふたつをミックスさせる痛車スタイルは、今後もこの分野で激しく競い合うオーナー達によって、きっとより激しく進化していくことだろう。

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