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天然繊維ボディは土に還る!? CO2排出量最大85%削減したボディをまとったトヨタ「ハイラックス」で「アジアクロスカントリーラリー」挑戦へ

TRDの柏村勝敏プロジェクトリーダーをはじめとするメンバーが「WÜRTH Power 135 TRD Hilux」をサポートする

WÜRTH POWER 135 TRD HILUXが3回目のAXCR挑戦!

2024年8月11日(日)〜17日(土)にタイで行われる第29回アジアクロスカントリーラリー2024に、「WÜRTH POWER 135 TRD HILUX」が参戦します。2022年から参戦をスタートしたこのチームは、3回目の挑戦。今回は車両を一新することになりましたが、これまでと同様に地球環境に配慮した持続可能な天然素材をボディ外板に使用したエコなラリーカーに仕立てて、挑戦をします。

戦闘力の高い車両に一新

アジアクロスカントリーラリー(AXCR)は、1996年に初開催し、以後毎年8月に開催されています。コロナ禍の影響で2020年、2021年は開催を見送り、2022年は11月に開催時期を延期して開催していますが、2023年からはまた以前と同じように8月の開催となっています。そして、2024年8月の開催を前に日本から参戦する各チームは車両の送り出しのタイミングを迎えています。

この車両搬出のタイミングで、チームも車両をお披露目することとなりました。今回ウルト・トラス・チームが使用するのは、2023年まで使用していたトヨタ「ハイラックスMSB」ではなく、オーストラリアのデザートレースで優勝した「TRDハイラックス」です。その車両をAXCRに勝てるよう大きくリメイクした1台となります。

一見2ドアのように見えますが、観音開きの4ドアとなっており、エキストラキャブと呼ぶような少し小さめのスペースが運転席と助手席の後ろに広がっています。ちなみにピックアップトラックのような形状となっていますが荷台の床はありません。

エンジンはTRDがチューンした2.8L直列4気筒インタークーラー付きディーゼルターボを搭載。トランスミッションは6速AT、右ハンドル車となっています。足まわりはKING社製のダンパーを採用しています。ちなみにリアサスペンションはリーフ式から4リンク式に変更。使用するタイヤはジオランダーM/T G003(245/75R17)をチョイスしています。

天然繊維材料の製造から廃棄までCO2排出量を最大85%削減

今回も外装にはスイスのBcomp社の天然繊維材料を使用しています。このフラックスファイバーコンポジットを使用したパーツはカーボン製パーツと比べて製造から廃棄までのCO2排出量を最大85%削減するということです。

車両に搭乗するのは2023年同様、新田正直/里中謙太ペアとなります。コンポジット製品成形メーカーである「トラス」の代表取締役である新田選手は、2022年AXCR初挑戦で総合20位完走、2023年は総合10位完走を果たしています。

2023年から新田選手とペアを組んでこのAXCRにコ・ドライバーとして参戦している里中選手は、トヨタの電気自動車(BEV)開発室に勤務。コ・ドライバー歴8年で、今シーズンも全日本ラリー選手権でJN5クラスにARTAオートバックス ヤリスCVTで冨本諒選手のコ・ドライバーとして参戦しています。

「WÜRTH POWER 135 TRD HILUXレーシングチーム」を支えるのが、ドイツに本社を持ち、自動車および建築業界で整備用品やカーケア商品、補修用ケミカル、さらには工具や安全保護用品などを幅広い化学製品を扱うウルトです。そして現地ではトヨタカスタマイジング&ディベロップメント(TCD)、TRD/TCD Asiaによるメンテナンスが毎日行われます。

地球環境に配慮した素材を身に纏い、大きく性能アップしたハイラックス。その決勝レースは2024年8月11日からスタートし、7日間で約2000kmを走破することとなります。

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