ブガッティがアフターセールスの未来を形作る
ブガッティにとって、比類ないカスタマーサービスを提供することはブランドの威信を確立するための基本であり、当然その中にはアフターセールスでの顧客体験も含まれます。ブガッティは「ボライド」と「W16ミストラル」のデリバリーに備え、また「トゥールビヨン」の受注を開始するにあたり、アフターセールスのレベルを高め、強化に乗り出しました。今後ブガッティが世界の顧客を満足させるためにアフターサービスに対してどう取り組むのか、その意気込みを見てみましょう。
新たな時代の新たなアフターセールスの取り組み
ついに「シロン」の時代が終わり、新しいブガッティ「トゥールビヨン」が発表されたことで、ブガッティのアフターセールス部門も、これから始まる新たな章に備えなければならなくなった。
とくにトゥールビヨンが20年ぶりに全く新しいパワートレインを搭載すると発表したことを受け、ブガッティのカスタマーサービスとアフターセールスの取り組みは、過去に敬意を払いつつも未来への準備にますます重点を置くことになる。
ブガッティのカスタマーサービス・チームは、「力は細部に宿る」という哲学に従い、新たな技術的進歩を取り入れつつも、それ以上のものを提供し、グローバルネットワークを通じて、顧客との永続的な関係を育むことを約束し続けたいと考える。
ブガッティ専属のサービス工場が世界にわずか6箇所しかない
車種の拡大により2026年には1200台のブガッティが世界中の道路を走ると予測されており、ブランドの継続的な成功の鍵は、まずはグローバルなアフターセールスおよびカスタマーサービスチームがこの急増に対応できる体制を整えること、そしてトゥールビヨンのV16ハイブリッドパワートレインのような新技術に対応できる設備を確保することと、新たなディーラーと手を携えて取り組む必要があることだと認識している。
また、並行して、最新のトレーニングプログラムを展開し、ディーラーチームが、自動車業界では他に類を見ないレベルの顧客サービスと献身を提供するために必要なすべての技術的専門知識と能力を持つようにすることも重要な課題だ。
ブガッティでは現在、本社のほかに、精密でハイテクなメンテナンス作業をすべて請け負うことができるブガッティ専属のサービス工場が世界にわずか6箇所しかないため、世界的にディーラーチームの熟練度を高めるべく、邁進している。
新しいサービス・パートナー認定プログラムを開始
顧客に次の段階の専用ソリューションを提供するための核となるのは、ブガッティのディーラーネットワークをより高度なレベルのサービスを提供できるように教育することである。現在、標準的なメンテナンスおよびサービス業務を行うためのトレーニングを受けた一部のディーラーを中心に、より高度な技術レベルの専門知識を有し、はるかに高度で複雑な顧客サービスを提供できるディーラーにシームレスに移行することを予定している。
合計で15のディーラーがすでにこの移行プログラムに着手し、その過程で既存のサービス工場の体制を補完し、真にユニークな顧客サービスを迅速に提供するブランドの比類ない能力をさらに強化する。この成功の鍵となるのは、ブガッティの熟練サービス技術者の数を継続的に増加させることであり、またディーラーは高度な技術的問題解決能力を持つエキスパートをさらに増やすこととなる。今後数カ月間、これらの選ばれたディーラーは包括的なトレーニングを受け、ブガッティ車やその最先端ツールだけでなく、ブランドの115年の歴史、ブガッティの本拠地であるモルスハイムに関する見識や経験について深い知識を得ることになる。
そしてディーラーネットワークの最適化をさらに進化させ、変化する自動車業界において完璧な顧客体験を提供し続けるために、ブガッティは、ブランドの本拠地であるシャトー・サン・ジャンで実施される新しいサービス・パートナー認定プログラムを開始した。
このプログラムは、ブガッティの最新ハイパースポーツカーの複雑な技術的問題を解決するだけでなく、ディーラーがブガッティのブランドに関する強い知識を持ち、市場に出回っているすべてのブガッティをケアするための完璧な知識と設備を備えていることを保証するものである。
「パスポルト・トランキリエ」と呼ばれる保証プログラムの強化
また、ブガッティはブランドの未来に焦点を当て続ける一方で、増え続ける不朽の名車にも重点を置いている。これには「ヴェイロン」や、そう遠くない将来にモダンクラシックへと移行する「シロン」も含まれる。
2024年に向けた取り組みの一環として、ブガッティは、将来中古車として販売される際の車両整備の拡大、オーナーチェンジプロセスの改善、および幅広い製品ラインアップを通じて、現在および将来の中古ブガッティオーナーの増大するニーズに応えるべく取り組んでいる。
これには、「パスポルト・トランキリエ」と呼ばれる保証プログラムの強化(2021年に開始され、ヴェイロンとシロンのオーナーに標準保証期間を超える延長サービスとメンテナンスを提供し、究極の安心を提供する)が含まれる。
「トゥールビヨン」は「Pour l’éternité(永遠のために)」と呼ばれているが、ブガッティは、ヴェイロンとシロンのオーナーがメンテナンスや改修に必要なパーツを継続的に入手できるようにすることで、長寿命と価値の維持を保証している。ヴェイロンはすでにモダンクラシックカーとしての地位を確立しており、シロンはハイブリッドの後継モデルであるトゥールビヨンの発表後、モダンクラシックカーとしての地位を確立しつつある。
ブガッティは、最高級のハイパースポーツカーを作ることに専念している。ブガッティのグローバルネットワークが提供するサービスは、場所を問わず、モデルを問わず、目の肥えたカスタマーに比類のない顧客体験を保証するものである。2024年とその先を見据えて、モルツハイム本社のカスタマーサービス・チームは、これまで以上に過去を考慮しながら、未来に向けて積極的に準備を進めている。
AMWノミカタ
ブガッティの修理工場には、サービスパートナーとサービスパートナー・オブ・エクセレンスの2種類が存在する。サービスパートナーは、標準的なタイプのサービスとメンテナンスを実施するのに対し、サービスパートナー・オブ・エクセレンスは、それに加え、より複雑なメンテナンス作業や専門的な修理を実施することができる。現在、シンガポール、ドバイ、デュッセルドルフ、ロンドン、ビバリーヒルズ、ニューヨークの6箇所にサービスパートナー・オブ・エクセレンスがあるが、既存の全ての標準的なサービス工場をハード/ソフトの両面でグレードアップし、世界中で増え続ける車両のメンテナンスを行っていこうというのがブガッティの考えである。
一般的にはサービス工場が近くにないようなクルマは販売には大きな障壁になる。これまでのブガッティの顧客はそんなことは覚悟の上で、それさえもブガッティオーナーの特別な体験として受け入れてきたのであろう。しかし、ブガッティの目的は比類のないカスタマーサービスをアフターセールスの部門でも提供することである。日本の顧客にも早くグローバルレベルのカスタマーサービスを体験して欲しいとおもう。