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旧ソ連の「ミグ15」に米軍の「SR-71ブラックバード」の実物を見に行こう! ファン感涙必至のエアミュージアム3つを紹介します【ルート66旅_61】

これもプレーンズ・オブ・フェイム所有で、F-86のライバルとされていたMiG-15。旧ソ連の機体が飛ぶシーンなんて日本では絶対に見られないだろう。写真は複座型の練習機だ

ルート66から近いカリフォルニアの航空博物館×3

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。シカゴから西に向かいカリフォルニアへ、いよいよ旅も終盤です。今回は、オススメの寄り道スポットとして、貴重な航空機を見られる3つのエアミュージアムを紹介します。

プレーンズ・オブ・フェイムは零戦以外にも見どころ多数

ルート66の旅もいよいよ最終盤。途中でいくつか紹介した寄り道スポットも今回がラストだ。ロサンゼルス東部には航空機にまつわるミュージアムが多く、エアショーを始めとしたイベントも頻繁に開催されている。

ひとつめは前の回でも紹介したプレーンズ・オブ・フェイム。日本の航空ファンには栄エンジンを搭載した「零戦」を保有していることで有名だが、ここの特徴は基本的に飛ばすためにレストアとメンテナンスをしていること。

第二次世界大戦より前の古い飛行機から冷戦期のジェット戦闘機、またアメリカだけじゃなく旧ソ連で使われていた機種まで幅広い。創設されたのは1957年でカリフォルニア州南部のクレアモント。1972年に現在のチノへ移転し、後にアリゾナの別館もオープンした。

実際に飛行できるレトロな機体は各地のエアショーでも重宝されており、私もプレーンズ・オブ・フェイムとは違う場所で何度か撮影している。零戦に限らず日本軍機のコレクションも充実しており、いくつかは再び大空を飛ばすために修復中とのこと。作業エリアの大部分は誰でも見学することができ、ボランティアのスタッフもフレンドリーで楽しい。

クルマ好きも楽しめるヤンクス・エア・ミュージアム

続いてプレーンズ・オブ・フェイムの隣といっていい位置にある、第二次世界大戦の機体を中心としたヤンクス・エア・ミュージアム。創設は1973年で保有している数は200機オーバー、こちらも実際に飛べるように仕上げるのがコダワリだ。

軍で使われていたジープや1910~1930年代のクラシックカーもあり、航空ファンだけじゃなくクルマ好きも楽しめるスポットといえるだろう。

初めはこことプレーンズ・オブ・フェイムを混同しており、間違って入ったところ展示が想像していた以上の充実度で、結局ふたつの博物館をハシゴするのが慣例になってしまった。

世界最速の戦略偵察機に会えるマーチフィールド・エア・ミュージアム

最後はサンバーナディノから20マイル(約32km)ほど離れたところにある、空軍基地に隣接したマーチフィールド・エア・ミュージアムだ。大型の爆撃機などがそこらじゅうに並ぶ広い屋外展示場が特徴で、チノの2カ所では見ることができないレアな機種もたくさんある。

屋内展示の目玉は最高速度マッハ3を誇る偵察機、「SR-71ブラックバード」でコクピットの撮影も自由。ちなみに隣が予備役の空軍基地なので、たまに輸送機などが飛来するから面白い。

あまり機密はないようで普段は望遠レンズを持っていても何も言われないが、一度だけ「今日は屋外に長いレンズは持っていかないで」と注意されたことがある。何か来るのかと思いつつ標準レンズを片手に外で撮影していると、無人攻撃機と思われる小さな飛行機が静かに着陸してきた。警備らしい車両も頻繁に行き来していたので、何かしら改良を加えた試験機だったのかもしれない。

余談だがマーチフィールド・エア・ミュージアムは入場チケットの代わりに、前述したSR-71を真正面から見たデザインのスタンプを手に押してくれる。それがなかなかコミカルで可愛らしく、いつも消えてしまうのを惜しく感じてしまう。駆け足であれば1日で3カ所すべて見学できるかもしれないが、できればサンバーナディノとマーチフィールドで1日、翌日にチノにあるふたつと分けたほうが楽しめるはずだ。

次回はルート66に戻って「プライド・オブ・フットヒル」と呼ばれる街、グレンドーラの美味しい店や味のあるモーテルを紹介してみよう。

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