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なぜラグジュアリーブランドはボートをつくりたがる? マセラティがオール電動パワーボード「トリデンテ」を発表した狙いとは

マセラティ トリデンテとグランカブリオ

マセラティが高級オール電動パワーボート「トリデンテ」を発表

ここのところボートの世界でも電動化が加速しています。そんな中、マセラティは、ヴィータ・パワー社と提携し、マセラティの電動化戦略を水上で展開するラグジュアリーなオール電動パワーボート「TRIDENTE(トリデンテ)」を発表しました。デイクルージング用の小型ボートながら、600hpのパワーを発揮するモーターが搭載されています。このマセラティらしい美しくパワフルなボートの概要を見てみましょう。

クルマだけでなくボートの世界においても環境負荷低減モデルを実現

マセラティは、ヴィータ・パワー社と提携し、マセラティの電動化戦略を水上で展開するラグジュアリーなオール電動パワーボート「TRIDENTE(トリデンテ)」を発表した。これにはマセラティの電動化戦略をアピールする狙いがあるだろう。

ヴィータ・パワー社とマセラティは、パフォーマンスとエレガンスに妥協することなく、未来のモビリティを実現するという同じビジョンを共有している。ヴィータ・パワー社は、レクリエーションおよび商業用途の高性能電気推進システムと完全電気ボートの電動統合エコシステムを開発し、専用の船舶用急速充電インフラによってサポートすることで、海洋環境への影響を低減するために設立された海洋技術企業である。

今回発表されたトリデンテは、湖や沿岸のデイクルージング用に作られた全長10.5mのゼロエミッション・パワーボートで、最高出力は600hp、バッテリー容量は252kWh、巡航速度は25ノット、最高速度は40ノットを誇り、充電時間はわずか1時間である。

トリデンテはコクピットに最大10人(ドライバーを含む)を乗せることができ、食事などをリラックスして楽しむ仕様や、スピードを楽しむ仕様を選ぶことができる。また、乗客は、シャワーとスイミング用のはしごを備えたバスエリアの横にあるサンデッキでくつろぐことができ、前方の密閉されたキャビンにはベッドとトイレが装備される。

このデイボートはカーボンファイバー製で、200年以上の情熱と卓越した歴史を持つ米国メイン州のボートビルダーであり、スーパーヨット・テンダーのスペシャリストであるホジドン・ヨッツの職人たちによって、最高の品質基準で仕上げられている。

AMWノミカタ

ラグジュアリーブランドと高級ボートとの親和性はとても高い。メルセデスは「Arrow460 Granturismo」、アストンマーティンも「AM37パワーボート」、ブガッティは「Niniette 66」というコラボモデルをかつて発表している。しかし、この10年でボートの世界とのコラボレーションにも変化が生じている。昨年、ポルシェはフラウシャー・シップヤード社との共同開発による電動スポーツボート「Frauscher x Porsche 850 Fantom Air」を発表した。パワートレインは「マカン」に採用されるEV技術が応用されるという。ボート用電動船外機を手がけるアメリカのピュア・ウォータークラフト社にはGMが出資している。

今回のマセラティのヴィータ・パワー社とのコラボは、メカニカルな部分やコスメティックな部分のコラボではなく、同じビジョンを持つ会社としてのいわば思想的なコラボではあるが、今後さらにマセラティらしさが追加されれば電動化戦略を強く印象づけるものとなるであろう。

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