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1000万円前後でポルシェ「GT3」を狙うなら「996.2型」がオススメ! クラブスポーツ仕様にアップデートされたお買い得な1台でした

5万5688ポンド(邦貨換算約1096万円)で落札されたポルシェ「911 GT3」(C)Iconic Auctioneers

過去に整備したサービスヒストリーも付属

2024年5月18日、アイコニック・オークショネアーズがイギリス・ノーサンプトンシャー州で開催したオークションにおいて2004年式のポルシェ「911 GT3」が出品されました。ポルシェ・センター・ロンドンからデリバリーされた996.2 GT3は、人気のポーラー・シルバーのボディカラーを採用。現在はクラブスポーツ仕様にアップデートされている魅力的な1台でした。

レースに出場するために登場したGT3

ポルシェの自然吸気モデルで常に高い人気を誇るのが、1999年にFIA GT3カップに投入することを目的に、ホモロゲーションモデルとして誕生した「GT3」だ。ベースとされたポルシェ「911」は996型の第1世代であり、リアに搭載されたエンジンは自然吸気の3.6L水平対向6気筒。

これはレーシングモデルの「962」や「911 GT1」に使用されたものから多くの設計を受け継いだものである。最高出力は、996の第2世代、GT3では380psに強化され、最大トルクの385Nmも2000rpmですでに80%が発揮される、扱いやすさも持ち合わせていた。

組み合わされる6速のギアボックスも、そのギアレシオは交換が可能で、ほかにもブレーキやサスペンション、ホイールは運動性能の大幅な向上に対応するよう改良され、大型のフロントエアダムと特徴的なリア・スポイラーによって空力ダウンフォースが強化された。

軽量化はリアシートの廃止、さらには消音材、リアスピーカー、サンルーフ、エアコンの廃止にまで及んだが、後者はCD/ラジオと同様にオプションとして注文することができた。

そして2003年、996はフェイスリフトされ(996.2型)、ターボスタイルのヘッドランプ、フロントおよびリアバンパーのデザインを変更。出品車はこのマイナーチェンジ後の966.2型の911 GT3、走行距離は5万8025マイル(約9万2840km)とやや大きな数字を刻んでいる。

しっかりとメンテナンスされてきた1台

ポルシェ・センター・ロンドンからデリバリーされた996.2 GT3のボディカラーは人気のポーラー・シルバーで、GT3の必需品ともいえるエアロキットも装着されている。現在はさらにクラブスポーツ仕様にアップデートされ、次のオーナーにとってさらに魅力的なパッケージとなっているのもプラスの要素だろう。

ブラックハイドインテリアには、レザーサンバイザー、スエードヘッドライニング、クレスト付きの軽量ポルシェスポーツシート、赤いシュロスレーシングハーネスが装備され、2015年にJZMポルシェが装着したTequipment 996ロールケージに囲まれている。

また、2016年にはサスペンションもアップグレードされ、3ウェイKWクラブスポーツサスペンションキットを装着。GT3体験を最大限に楽しみたいポルシェドライバーのために、よりダイナミックな乗り心地と全体的なフィーリングを提供している。

オークション主催者のアイコニック・オークショネアーズ社によれば、この車両のコンディションは全体的に素晴らしく、これまで潔癖なオーナーによって必要に応じてメンテナンスされてきたと記されている。

ポルシェのメインディーラーやスペシャリストによって完了された過去の作業の詳細を記した包括的なスタンプ付きのサービスヒストリー、さまざまな請求書なども付属するこのGT3には、2024年12月12日までの英国での車検有効期間も残っている。

この2004年式ポルシェ911GT3に、アイコニック・オークショネアーズ社が設定したエスティメート(落札予想価格)は6万2000ポンド~7万ポンド(約1120万円~1378万円)。オークションではそれよりさらに安い、5万5688ポンド(邦貨換算約1096万円)での落札となった。ビッター(入札者)にとって、これはとても買い得な買い物と言えたのではないだろうか。

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