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まだ間に合う! なつかしの「グラチャン」マシンを「自由研究」にしてみては? レジェンドを招いた公開取材会の模様をお届けします

1977年に登場した「紫電77」

「富士GCシリーズ特別展」が富士モータースポーツミュージアムで8月29日まで開催中

静岡県・富士スピードウェイの隣にある「富士モータースポーツミュージアム」では現在、夏の特別企画として2024年8月29日(木)まで「富士GCシリーズ特別展」が開催されています。その期間中である8月5日(月)に、展示車両とゆかりが深いメカニック&デザイナーのレジェンドを招いた公開取材会が開催されました。平日にもかかわらず多くのGCファンが集まった会の様子をお届けします。

富士グランチャンピオンレースの各年代を代表するマシンが集合

富士モータースポーツミュージアムで2024年5月1日~8月29日の期間に開催中の「富士GCシリーズ特別展」では、1970年代から1980年代にかけて富士スピードウェイで開催された、富士グランチャンピオンレースにゆかりある車両を展示している。

特別展示エリアでは1975年にチャンピオンを獲得した「マーチ74S」、1977年に登場した「紫電77」という富士GCシリーズで活躍した2台に加え、このシリーズで多くの勝利を成し遂げた高原敬武選手のトロフィーなども展示されている。また、特別展示エリアとは異なる2階のエリアでは、1980年にチャンピオンを獲得した「バーダルMCS-Ⅰ」や1987年式の「Footwork ムーンクラフト スペシャル7」などが展示されている。富士グランチャンピオンシリーズの進化の歴史を感じ取ることのできる、各年代を代表するマシンが展示されているのだ。

今回の特別展に合わせて、写真家の矢神 徹氏の初公開となる秘蔵写真も展示。初期に使用されていた30度バンクを走るグランチャンピオンマシンの写真や、当時の人気の高さを裏付けるようなグランドスタンドを埋め尽くしている写真などが展示されている。

当時を知る松浦 賢氏と由良拓也氏をゲストに公開取材会

8月5日に行われた公開取材会では、富士GCシリーズで活躍した数々のマシンのエンジンチューニングを手がけた日本を代表するエンジンチューナーである、ケン・マツウラレーシングサービス会長・松浦 賢氏と、富士GCシリーズを席巻したMCS(ムーンクラフトスペシャル)を手がけたレーシングカーデザイナーのムーンクラフト代表・由良拓也氏をゲストに迎えた。午前の部ではモータージャーナリストの藤原よしお氏が、午後の部ではモータージャーナリストの大内明彦氏が、2人のゲストにさまざまな質問を投げかけていた。

平日の開催であったにもかかわらず、多くの参加者が集った。また、富士GCシリーズ現役時代に青春を過ごしたであろう人たちが多く、「実際にGC観戦したことある方は?」という質問にはほとんどの参加者が挙手をしていたのも、印象的であった。当時を知るレジェンドたちならではのディープな「ここだけの話」が多く飛び出した。

富士のミュージアムだからこそGCシリーズの展示を!

今回の富士GCシリーズ特別展、そして公開取材会を企画したのは、2024年1月から富士モータースポーツミュージアムに携わっている小宮山さんだ。もともとトヨタでモータースポーツエンジンの開発を中心にキャリアを積んできた小宮山さんは、昔から大のモータースポーツファンで、免許もない頃は自転車で富士スピードウェイに来てグランチャンピオンシリーズを観戦していたという。

富士モータースポーツミュージアムの担当になり、富士スピードウェイの歴史を語るうえで無くてはならないGCシリーズの展示が少ないことがショックだった小宮山さんは、「富士にあるミュージアムだからこそグランチャンピオンシリーズをやらなきゃ!」と本企画実現に向けて奔走したそうだ。当初は周囲から「なぜ今さらGC?」との声もあったそうだが、「富士だからこそGCなんだ」と熱弁し、各所の理解を得たそうだ。

この熱意に、実際にGCマシンを持っているオーナーやトークショーで登壇したメンバーたちは共感し、特別展への協力をふたつ返事で快諾。今回の公開取材会への実現へと至ったそうだ。この特別展のリアクション次第では、今後の特別展でも、公開取材会のようなイベントも計画しているとのこと。これらからの富士モータースポーツミュージアムの動きにも注目したい。

* * *

今回の特別展は8月29日(木)まで。8月31日までの夏休み期間は小学生の入場料は無料となっているので、GCシリーズの現役時代にファンであった方々は、お子さんやお孫さんを連れて、富士モータースポーツミュージアムを訪れてみることをお勧めしたい。

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