『ワイルド・スピード』で名を馳せたヴェイルサイドをまとったNSX
日本には数々のエアロパーツメーカーが存在します。純粋なレース用品からドレスアップまで、そのジャンルはさまざまで、国内のみならず海外でも圧倒的に支持されるほど神格化されているメーカーも存在します。「瀬の本グランプリ 2024」に参加していたのは、ヴェイルサイド製フォーチュンモデルのエアロをまとったホンダ「NSX」でした。オーナーの松岡さんは2004年の東京オートサロンでデビューしたときにひと目惚れ。念願のスタイルを手に入れて、長年楽しんでいるという1996年式NSXを紹介します。
20年前の衝撃デビューで一目惚れしたフォーチュンモデル
堂々と開閉されたシザーズドアと独特のスタイリングは、まさにスーパーカーのイメージ。しかし、フロントに装着された「VS」のエンブレムと、ナンバープレートの「VeilSide」の文字が大きなヒントとなっていた。
「NSXが大好きだったので、23年前にこの1996年式のタイプTを手に入れました。最初はスーパーGTのマシンのようなスタイルに仕上げようと考えていたのですが、2004年の東京オートサロンで発表された車両を見て衝撃を受けたのです。いわゆるひと目惚れですね」
松岡さん(47歳)の心を一瞬にして虜にしたのは、ヴェイルサイドが製作したフォーチュンモデルだった。映画『ワイルド・スピード』シリーズをご覧になった方ならばイメージしやすいだろうが、第1弾の『ワイルド・スピード』でドミニクの愛車マツダFD型「RX-7」や、第2弾の『ワイルド・スピードX2』でのスーキーのホンダ「S2000」。そして、第3弾の「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」でのハンの愛車、マツダ「RX-7」のフォーチュンモデルなど、同シリーズに登場するさまざまな劇中車を手がけていたのが、茨城県つくば市に所在するヴェイルサイドだ。
世界中のチューニングカーファンを魅了した映画の車両を製作したことで、ヴェイルサイドは瞬く間に世界に知れ渡る。その流れで、2004年にホンダ「NSX」をベースとしたフォーチュンモデルを発表した。それを目撃した松岡さんが、いつか必ず入手しようと心に誓ったモデルだったのだ。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)
九州では他にいない⁉︎ 同じ車両を見かけたことがない激レア車
松岡さんのNSXがフォーチュンモデルへと変化したのは、今から12~13年ほど前になる。仕事の関係で地元を離れ、神奈川県や埼玉県などに住んでいたことがあり、その頃に茨城県にあるヴェイルサイドを訪れたのだった。ボディキットを入手する段取りを進めた頃に再び地元へ戻ることになったため、製作は九州のショップへと依頼した。
「ワイルド・スピードシリーズは当然好きですが、この流れるような独特のボディデザインが素晴らしいですね。人気のボディキットなので、私以外にもオーナーさんはいるだろうと予想しているのですが、私自身このモデルのオーナーさんに九州でお会いしたことがないんですよ。SNSを見ていると、見かけたという情報があるのですが……」
そう語る松岡さんだったが、ほかのオーナーとかぶらない車両を手に入れたい、という思いを叶えることができたのは間違いない。どこに行っても同じ車両を見かけない、と断言できるほど、このフォーチュンモデルは希少車であるのだ。
「28年も前の車両なので、経年劣化で少しずつトラブルなどが出ています。しっかりとメンテナンスしながら、ずっとこのクルマと楽しんでいこうと思っています」
ひと目惚れから早20年。ファーストインプレッションで燃え盛った松岡さんの想いは、永遠に鎮火することはない。
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