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実走リッター37キロ! スズキ「アルト」で目指すはリッター40キロ…燃費ジャンキーのチューニングの技は「あらゆる抵抗をなくすこと」

燃費スペシャル仕様の2015年式スズキ アルトXとオーナーの“黒鉄”さん

「加速しない、減速しない、曲がらない」異次元発想の低燃費チューン

スズキの誇る軽自動車の大看板「アルト」が200台以上も集まった2024年5月の「あると祭」には、新旧さまざま、スタイルもイジりかたも多彩なアルトが並びました。なかでも独自すぎるコンセプトでカスタムされていたのが、「燃費ジャンキーアルト」とオーナー自ら称する1台のマシン。そのチューニングメニューは驚きの連続でした。

抵抗という抵抗を軽減し燃費リッター37キロを達成

「燃費ジャンキーアルト、実走37km/L&満タン1000km達成、車重800kg切り40km/L目指して進化中」と記された自作のフロントナンバーカバーを装着していた2015年式スズキ「アルトX」のオーナーは“黒鉄”さん。燃費チャレンジのベース車両にアルトXを選んだのは、たまたまこのアルトが近場で安く出ていたためだそうだ。

「基本やっぱり軽量化がメインで、あとは空気抵抗、吸気抵抗、電気抵抗、排気抵抗と、そういう抵抗って名前の付くものを極力減らしていこうという方向です。空力パーツをいろいろ追加したり、ウォーターポンプの回転抵抗になるので冷却水を粘性の低いものに変えたりとか、電気抵抗もアーシングを要所でやったりしていますね。買ったとき1回目の給油で大体27km/Lぐらいでしたが、今は実走37km/Lにはなっています。基本的に、加速しない、減速しない、曲がらない、っていう感じで、普通の人が同じ運転したら多分頭がおかしくなると思います」

チューニングも低燃費方向にシフト

アルトXからさまざまな抵抗を減らすことにくわえて、チューニングを行い走りの質を高めることでも燃費の向上を狙っている黒鉄さん、エンジン関係ではサブコンで全域での燃料噴射量を-8%抑え、高電圧化のため直噴の「ワゴンR」用コイルを装着。足まわりも「アルトワークス」用のショック+ハーフダウンサスでロールを抑える方向にセッティング。これは走りの楽しさだけでなく、「コーナリングスピードが上がれば、燃費もちょっと上がるので」という意味合いもあるようだ。

さらに低重心化のために、エンジンとトランスミッションの搭載位置を5mmダウンし、燃料タンクも10mmダウン。さらに、通常のチューニングとは異なる方向の取り組みも行われている。

「人があまりやっていないところでは、バン用のクランクプーリー、ウォーターポンププーリー、エアコンプレッサーを入れています。バン用はベルトの幅がひと山分細いのでちょっと軽いんですよ。ベルトはもともと6山のベルトが付いてるんですけど、今は4山のベルトで回しています」

フロアシフト化に向けて奮闘中

この他にもセミドライカーボンのボンネットやシートなどで内外装の軽量化を行い、現在は運転位置をできるだけクルマの中央にしたためにシフトチェンジがしづらくなったため、フロアシフト化を行っているという。

「もともとはインパネシフトなんですけれども、シートの位置がだいぶ後ろになったので遠くてダウンシフトがしんどいので、なんとかフロアに移動できないかなと。今は一応繋げてはいて、引っ張る方向はいいんですけど、押す時にリンクで力が逃げちゃっているので、リンクを自作して動かしたいなっていうところです」

「あとは今、レース用でFRPのリアゲートを作ってネットオークションに出している方がいるので、いつか欲しいなと考えてます。最近、フォグランプはいらないかなと思ってきたので、フォグランプのないバンパーも探してるんです」

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