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なつかしのダットサン「ブルーバード」を伝説のチャンピオンカラーに!…「BRE TransAM510」カラーに恥じないようにドラテクを磨くのみです

ダットサン ブルーバード:ヘッドライトの外側2灯はマーシャルライトに交換している

伝説のチャンピオンカーをリスペクトして製作

1970年代のSCCA(全米スポーツカー協会)のプロダクションレースにおいて、日本車で戦ったBREことブロック・レーシング・エンタープライゼス。今回紹介する“楽昭会計”さんは、偉業を成し遂げたBREの日産(ダットサン)510型「ブルーバード」をリスペクトして製作。当時、レースで活躍していた頃のペイントとスポンサーデカールをリアルに再現し、ところどころにオリジナリティを加えて愛車のチューニングを楽しんでいます。

アメリカのレースで日本車が大活躍

BREの代表ピート・ブロック氏は、シェルビー・アメリカンにおいて空力デザイナーを務め、名車であるシェルビー「デイトナクーペ」のエクステリアを担当した人物として知られている。ピート・ブロック氏は1966年にBRE設立後、リーズナブルかつハイパフォーマンスなスポーツカーとして注目を集めていた日産(ダットサン)SR311型「フェアレディ2000」で北米日産のスポンサーのもとSCCA-Cプロダクションレースに参戦した。

その後「フェアレディ240ZG」などで大活躍し、チームとしての知名度を高めると北米日産からダットサン510型「ブルーバード」を使用したレース参加を熱望された。さまざまな紆余曲折がありながらも、BREは510型ブルーバードのチューニングを施し、「BRE TransAM510」と名付けられた。

BRE240Zに搭載していたL24型エンジンのノウハウを投入し、510型ブルーバードに搭載するL16型レースエンジンを開発。その翌年にはさらに馬力アップさせたL18型エンジンを搭載した。レースで見事な好成績を収め、SCCAプロダクショレース史に名を刻む2年連続優勝の栄冠を勝ち取ると、BRE TransAM510は「伝説のチャンピオンカー」として語り継がれる存在となる。

ホイールは懐かしのテクノファントムを装着

“楽昭会計”さんのマシンは、そんな偉業を成し遂げたBREの510型ブルーバードをリスペクトして製作。ボディ全体はストックに近い状態のように見えるが、よく見るとフロントのメッキバンパーを取り外し、BREタイプのフロントスポイラーを追加装着している。また、丸目4灯ヘッドライトは内側の2灯をエンジン冷却用ダクトとし、外側の2灯ヘッドライトをネコのマークでお馴染みのマーシャルライトに交換している。

フェンダーは純正アーチを叩き出すだけでは収まらなかったので、新たに鉄板を用意して一部フェンダーをカットして溶接を施す。その際、フロントフェンダーにはダクトも追加している。

大がかりにフェンダーを加工してまで履かせたかったホイールは、フロント8.5J×14、リア10J×14のテクノファントムという懐かしいモデルだ。マイナスオフセットでリム幅を強調させているのがポイント。

ゴールドディスクで当時のストリートレーサー定番スタイルに加えて、機械加工ならではのマシニングカットが魅力的な仕上げのホイールは廃番になっているかと思ったが、近年の旧車ブームで復刻モデルが販売されているそうだ。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

激しい走りに対応できるチューニングを施す

また、見た目以上にこだわって作ったエンジンについては、排気量を2000ccまでボアアップしたユニットに亀有エンジンワークス製ピストン、クランクなどを使ってチューニング。ボーリング、ホーニング、ポート研磨、ビッグバルブ、ハイカムを組んだメカチューンドエンジンは、5ZIGEN製マフラーによって腹の奥底に轟く排気サウンドを吐き出す。その力強い排気脈動からも、普通の旧車ではないことを印象付けていた。

“楽昭会計”さんは見た目だけ重視のお飾り旧車には乗らない主義なので、このクルマは峠を攻め、サーキットにおいても楽しめるセットを組む。激しい走りに対応できるメニューとして、トランスミッションは日産「バイオレット」用5速に換装し、クラッチは強化メタル製、LSDは機械式でファイナルを3.9に交換して駆動系とギア比をまとめ上げる。

サスペンションはパーツアシスト製車高調キットを軸に各アーム類、スタビを強化タイプに交換し、アライメントを含めてきっちり調整。これまでの走りの経験値を踏まえたセッティングを施す。また、アライメント調整については、グリップもドリフトも楽しむ仕様としてトーとキャンバー角にこだわってセットアップ。

完全に仕上がったと言える“楽昭会計”さんの510型ブルーバード。はたしてこのクルマはこれで完成かと聞くと、今のところは大満足という回答だった。走りもスタイルもキマッているので、残すはこのクルマが活躍し、華々しく輝いた頃の歴史を汚さないように伝説のチャンピオン、BRE TransAM510のカラーに恥じない走りをすること。

「クルマに恥じないためにも、自らのドライビングテクニックを磨くことが課題です」

と話してくれた。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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