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アーマーゲーと呼ばれていた時代のAMGが予想以上の620万オーバーで落札! メルセデス・ベンツ「280E AMG」はマニアにとっては超魅力的!

3万9100ドル(邦貨換算約624万円)で落札されたメルセデス・ベンツ「280 E AMG」(C)bonhams

エンスージアストからの多くの視線が集まっていた

2024年6月17~24日にかけて、名門ボナムズ・オークション社がオンライン限定で開催した「AMG Rediscovered Online」オークションにおいて、メルセデス・ベンツ「280E AMG」が出品されました。出品車は、AMGが独立したメルセデス・チューナーとして存在していた時代を象徴する1台ともいえるモデルでした。

AMGのファンにはたまらない存在の1台だった

現在ではメルセデスAMGとして、カスタマーに究極のパフォーマンスを提供するオフィシャル・パフォーマンス部門として活躍を続けるAMG。このAMGという称号が、1967年に同社を創立したハンス・ヴェルナー・アウフレヒト(A)とエルハルト・メルヒャー(M)、そしてアウフレヒトの出身地であるグローザスバッハ(G)の地名に由来していることは、メルセデス・ベンツのエンスージアストには常識として語られるところである。

アウフレヒトとメルヒャーはともに元メルセデス・ベンツのエンジニアであったが、彼らを独立へと導いたのはレーシング・エンジンの開発と、メルセデス・ベンツが長くオフィシャルには放棄していたサルーンカー・レースへの参戦にこそあった。

エンスージアストはこれもまた鮮明に記憶していることだろう。1971年のスパ24時間レースにおいて、AMGが開発した「300SEL 6.8」、通称「レッドピッグ」が総合で2位という輝かしい戦績を残したことを。それはAMGの名を広く世界に知らしめる原動力となった。

名門オークショネアのボナムズが、2024年6月にロサンゼルスで開催したオンライン・オークション、「AMG リ・ディスカバード・パート1」に出品した、1980年式のメルセデス・ベンツ「280E AMG」は、まさにAMGが独立したメルセデス・チューナーとして存在していた時代を象徴する1台ともいえるモデルだ。

ボナムズがそれに掲げたエスティメート(予想落札価格)は2万2000ドル~3万ドル(オークション当日の為替レートで邦貨換算約351万円~479万円)。最低落札価格の設定は行われていなかったから、オークションの進行によってはあるいは意外にリーズナブルな価格での落札も可能になるという、AMGのファンにはたまらない存在の1台だった。

>>ネオクラシックを特集したメルセデスの専門誌「only Mercedes」のvol.221を読みたい人はこちら(外部サイト)

AMG製フルエアロキットを装着

シャンパン・イエローのボディペイント。当時のAMG車を象徴するかのようなブラックアウトされたフロントグリルやバンパー、そしてエクステリアトリム。ホイールはこれもブラックとシャンパン・イエローのカラー・コンビネーションで仕上げられたBBS製のメッシュタイプで、フロントスポイラーを始めとするエアロパーツはこれもすべてAMG製。しかもフルキットでの装着である。

これまで出品者であるアメリカのバリー・テイラー・コレクションの1台として室内保管されていたこともあり、内外装はやや使用感も見られるものの、全体的なコンディションは良好な状態。一度リフレッシュされれば、このクルマはさまざまなイベントで注目の的となることは間違いない。

そして何より注目すべきは、フロントに搭載されるエンジンだ。それはアフォルターバッハのAMGで確かなチューニングを受けたM110型2746cc直列6気筒DOHCで、ボッシュ製の燃料噴射との組み合わせで228psの最高出力を発揮したと推定されている。

組み合わされるトランスミッションは4速AT。このパワーに対応するために4輪独立式のサスペンションもAMGによって強化され、そのフォーマルで端正な印象を与える外観からは想像もできないほどにスポーティな走りを、280E AMGは実現してみせたのだ。AMG製のエンジンに大きな価値を見出すことのできるこの出品車には、オークション前からエンスージアストからの多くの視線が集まっていたのだろう。入札は予想落札価格のレンジを超えても止まることはなく、最終的に3万9100ドル(邦貨換算約624万円)という数字を記録することになった。

AMGはその後1990年にはモータースポーツに関してメルセデス・ベンツとの提携に合意。1999年には当時のダイムラー・ベンツがAMGの株式の過半数を取得して子会社化されるとともに、ロードカーの高性能モデルの開発にも深く関係していくことになる。

AMGがまだAMGとして独立していた1980年代の作品は、エンスージアストにとっては最も魅力的に見える存在なのかもしれない。

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