40台限定で世界最速級の新型「ネヴェーラR」が登場
リマックというハイパーカーブランドをご存知でしょうか? 同社は2006年にクロアチアで創業した電動ハイパーカーブランドで、2011年に初の完成車「コンセプトワン」を製作。その後、2018年にジュネーブモーターショーで発表された「コンセプトツー」は「ネヴェーラ」として市販されることとなり、最高出力は1914ps、最高速度は412km/hという考えられないパフォーマンスで世間を驚かせました。今回新たに登場したハイパフォーマンスバージョンの新型「ネヴェーラR」を紹介します。
0-100km/h加速はわずか1.81秒
リマック・アウトモビリが「ネヴェーラ」シリーズに新型「ネヴェーラR」を追加した。生産台数は全世界でわずか40台となる。進化を遂げたネヴェーラRは、「過激」、「反体制的」、「容赦しない」というリマックブランドの哲学に従っている。最高出力2107psを備えたネヴェーラRは、0-100km/h加速は1.81秒を記録し、ネヴェーラよりもさらに速い加速性能を達成している。
リマック・グループのマテ・リマックCEOは次のように語った。
「ネヴェーラRはニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで新たなベンチマークを打ち立て、大陸を越えて何千kmも快適に走ることができる高性能で記録破りのクルマです。世界初の量産オール・エレクトリック・ハイパーカーとして、独力で新時代をリードしています。
私たちは顧客の要望に応じて改良を続けており、多くの顧客は、ネヴェーラのコーナリング能力をさらに強調したクルマを求めていました。そのためネヴェーラのDNAはそのままに、より軽く、より速く、より焦点を絞ったネヴェーラRが誕生しました」
時代を超越したダイナミックなプロポーションを実現
よりフォーカスされたドライビングダイナミクス、パフォーマンス指向のバッテリー、より強力なパワー、高度なブレーキシステムを備えたネヴェーラRは、デザインによっても洗練されたアイデンティティを体現している。
フロントは空力効率、姿勢、車幅を強調する水平ラインで、印象的かつテクニカルにデザインされている。このデザインはデザイナーとエンジニアよって実現したもので、官能的なサーフェシングと精密なグラフィックをシームレスにフロント・クラムに統合している。
ホイールはフロント20インチ、リア21インチを装着。スポークを長くすることで大きさを強調し、色分けを際立たせた新しいデザインを採用している。大型のリアウイングは、大型ディフューザーを含むアグレッシブなエアロパッケージと組み合わされ、ダウンフォースを15%、空力効率を10%向上させている。
また、新しいミシュランのカップ2タイヤを装着することで、アンダーステアが10%減少し、横方向のグリップが5%向上。ナルドのハンドリングサーキットではラップタイムが3.8秒短縮した。
最高出力はさらにパワーアップして2107馬力に
高性能タイヤのポテンシャルを最大限に引き出すために、再チューニングされた新世代の全輪トルクベクタリング(R-AWTV)システムはよりシャープでタイトなコーナリングを提供する。トラクションコントロールシステムはR-AWTVの能力を拡大するために改良され、雨天時でも予測可能な動作を実現する。
ドリフトモードは新しいタイヤに合わせて調整され、ステアリングシステムはよりシャープなレスポンスとドライバーへの鮮明なフィードバックを得るために改良された。
108kWhのバッテリーパックを搭載したネヴェーラRは最先端のテクノロジーを活用し、より軽量なパッケージでより高いパワーの獲得を実現している。最高出力は2107psで、記録的なネヴェーラよりもさらに速い。新しいEVO2ブレーキはシリコンマトリックス層を持つカーボンセラミック製で、ハードな使用における制動性能、冷却性能、耐久性を向上させている。
AMWノミカタ
最高出力2107psで0-100km/h加速は1.81秒と、数字を聞くだけでこのネヴェーラRのパフォーマンスがいかにすごいかがわかる。リマック・アウトモビリは、世界最高峰のハイパーカーメーカーであるブガッティ・リマックに属するメーカーである。
ブガッティは8.3L V16エンジン+3モーターを搭載し、最高出力1800psを発揮する「トゥールビヨン」を発表したが、徹底的にアナログにこだわり、100年後にペブルビーチのコンクールで評価されるような芸術的なモデルを製造している。
その一方で、リマックは世界初のフル電動のハイパーカーブランドとして最先端の技術を駆使し、ブガッティとは対局にあるクルマの製造を行なっているところが面白い。グループとしては内燃機関+アナログ派とフルEV+デジタル派の両方の顧客の夢を取りこぼすことなく叶えることのできる戦略なのだろうか。このネヴェーラRは40台の限定生産だというが、その評価を早く聞いてみたい。