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首都高でアルピーヌ「A110」が突然停止! 高速パトロール隊とJAFに救われたある日のことを話そう【KEEP ON RACING】

アルピーヌA110:地味ではないけど、派手でもない。通勤に使うにはちょうどいい

暑い9月のある日、A110が首都高で突然ストップ

ようやく酷暑も過ぎつつある10月。9月で夏は終わるのではなくて、夏そのものだったりする今日このごろ。太田哲也さんが通勤カーにベストマッチというアルピーヌ「A110」ですが、一昨年の暑い9月のある日のことを思い出したそうです。それはあまりいい思い出ではありませんが、その日に首都高速を利用していた方にご迷惑をおかけしたことのお詫びも兼ねて、A110にまつわるトラブルを報告いたします。

夏が苦手なアルピーヌA110

夏が好きだ。開放的な気分になってワクワクしてくる。でもアルピーヌA110は夏が嫌いみたい。夏になると機嫌を損ねてくる。というわけで大好きな夏だけどA110のことを思うと少し憂鬱になっている。

事件は2022年の9月10日に起こった。土曜日の夕方17時頃、首都高速6号三郷線を運転していたら、アルピーヌA110が突然、ブスブスブスという感じで減速をはじめたのである。

左車線を走っていたこともあって道路の左側に寄せることはできたものの、路側帯がほとんどない箇所だったので走行車線にハミ出した状態でハザードをたいて停車した。

「どうしよう?」一瞬、パニックになりかけたが、座ったまま深呼吸して何をすべきか考えた。三角表示板はどこにあったかな、でもクルマから降りられるかな。後続車は右側ギリギリを通過していく。そのたびに風圧でクルマが揺れる。とてもドアを開けられない。

ガソリン残量はある。止まり方からすると燃料系トラブルっぽいな。確かいつもは燃料マークは白表示だった気がするが、今は黄色表示になっているので、やはり何かのトラブルだろう。

とにかく助けを呼ぼう。首都高のパトロール隊に電話しようと思ったが番号が分からない。じゃあJAFだ。電話したら「現在位置を教えてほしい」と言われて車載のナビで確認したら、なぜか上り車線走行中なのに、下りに向かっていると間違って表示されている。ナビもおかしくなったのか。iPhoneのMAPで確認してみると、一般道にいることになっていて、インターの位置が表示されない。どうなっているんだッ、こんなときに限って。と、よく考えてみたら、高速道路で時速0km/hのはずがないから、ナビも混乱しているのかもしれない。JAFが連絡を取ってくれて、高速パトロール隊と電話で話すことができた。

パトロール隊「いまどこですか?」
「それがよくわからないんです。八潮を過ぎた気がしますが」
「カメラで見ています。いま引っ越しのトラックが脇を通過しましたか?」
「ええと、はい、通過しました!」
パトロール隊「わかりました、黒いクルマですね。そこは加平入口出口付近です」と、現在位置を特定してもらえた。
パトロール隊から言われた。「到着するまでの間は、絶対に外に出ないで下さい。頭をシートに押し付け、ハンドルを持って突っ張って、足も突っ張って、シートベルトをきつく締めて待機してください」
太田「はい、わかりました……」。改めて緊張が走る。

その後、落ち着いてきて、自分の会社に連絡して加入している保険会社のロードサービスなど各方面に連絡した。あとは待つしかない。後続車に「追突しないでね」と祈りながら。

小一時間でパトロール隊が到着し、車線を規制してくれて、その段階でようやくクルマを降りることができた。パトロール隊員から、積載車が着くまで時間がかかるから、クルマを安全な場所まで牽引しましょうと言われた。その日は蒸し暑くて高速道で他にもトラブル車両が多く、積載車がいつ来られるか分からない状況なのだという。自分としても、渋滞の原因になりたくない。

どうやったら「ニュートラル」になるのかが分からない!

ところが牽引方法が分からない。A110は通常のオートマではなくセミオートマで、「P」ボタンがない。また電子ブレーキもエンジンもかかっていない状況でどうやって解除できるのだろうかと悩む。また牽引フックを付けられそうな箇所も見当たらない。

ルノー・ジャポンの広報担当者に電話してみたが、やり方は分からず、「アルピーヌ・レスキュー」にも電話したが、同様に方法を知らなかった。どうしようか考えていたら、自分の会社から電話がかかってきて、付き合いのあるルノー所沢と連絡が取れたという。

そこでさっそく、電話でやり方をおしえてもらう。カードキーをスロットに挿してエンジン停止状態のままでNボタンを押せば、ニュートラルになるそうだ。電子サイドブレーキも同じようにすれば解除できてクルマを動かせる状態となる。肝心の牽引フックはといえば、救急セットの中に入っていることを、これまたルノー所沢の担当者が教えてくれた。親切にも駐車場まで実車を見に行って、牽引フックの在り処を確認してきてくれて教えてくれたのである。

牽引フックの取り付けはバンパーをよくみると小さな切欠きがあって、そこにマイナスドライバーの先を差し込んでこじれば、蓋が取れるそうだ。こうした作業に関しては、責任上、パトロール隊は行うことができないそうで、暗くて揺れる首都高速上で電話をかけながら自分で作業をおこなった。牽引フックをようやく取り付けたときは、隊員たちが「できましたね!」と喜んでくれた。

高速パトロール車に牽引してもらって加平入口まで行き、スペースのあるところで止めて、ようやくほっとすることができた。親切にも隊員さんはこのまま一緒にJAFの積載車を待ってくれるらしい。渋滞の原因を自分が作ってしまったことを詫びると、隊員さんは「いいんですよ、故障は仕方ないですから」と言葉をかけてくれた。

以前に、高速道路のパトロール隊員たちに安全運転の講義とドライビングレッスンを行ったことがあるが、こんなカタチで自分がお世話になるとは思ってもみなかった。とても親切で心底ありがたいことである。

同乗できるロードサービスでないと困るよな

ほどなくしてJAFの積載車が到着。助手席に載せてもらい、パトロール隊に手を振って帰ってくることができた。

ちなみにロードサービスは、JAF以外にも保険会社やアルピーヌ・レスキューなどいろいろあるが、JAF以外は積載車に同乗することができない。つまり、自分だけ現場に残されても困ってしまうよな。

それにしても現代のクルマは、何かトラブルがあるとすぐにチェックランプが点灯し、不動となるケースが多い。昔のようにだましだまし帰ってくるということができなくなっている。クルマへのダメージは避けられるが、予想外のところで止まってしまうと、今回のように大事になりかねない。

ちなみに故障の原因は思った通り燃料系で、燃料ポンプの設計ミスらしい。偶然にも同じ日に同様のトラブルで止まってしまったA110もあったようだった。その後、リコールの対象となって、対策品と交換してもらった。

最後になるが、2022年9月10日土曜日夕方18時頃、首都高速6号三郷線上り東京方面で渋滞に巻き込まれたドライバーさんへ。その渋滞の原因は私です。ごめんなさい。

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