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三菱「トレディア/コルディア」を覚えていたらカーマニア認定! 日本初の1600ターボは純国産ターボをアピールしていました【カタログは語る】

三菱 コルディア:スーパーシフトや液晶式電子メーターを採用していた

純国産の純血ターボをアピールしていた

世の中には1世代限りで消えたクルマが存在します。いつの間にか忘れ去られてしまい、知っていたらクルマ通とすら言われるモデルも、あらためてみると再評価したくなることもあります。今回は、三菱から「トレディア」「コルディア」の2車種を当時のカタログで振り返りたいと思います。

1982年に登場したトレディア/コルディア

三菱「パジェロ」「デリカ」「ギャラン シグマ/ラムダ」「ランサー」「ミラージュ」「ディアマンテ」「RVR」「デボネア」、(昔の)「ギャランGTO」や「FTO」、(昔の)「コルト」、それとごく最近ならあの「デリカミニ」や「トライトン」……。三菱車かぁと考えながら、Macの画面でカーソルが点滅するのを眺めつつ今、筆者が思い浮かべた車種は、ざっとこんなところ。もちろん好きだった車種、自分で乗りたいと思った車種も数え切れないほどあった。ギャランGTOなど今でも写真で見ると胸がときめくし、小学生の頃で、20分の1スケールのバンダイかニチモのプラモデルを自分で作って、たしかそのキットは給油口が開閉するようになっていたなぁ……などと、懐かしい思い出も甦ってきた。

一方で、一般にマイナーな存在だった車種もある。今回取り上げる「トレディア/コルディア」はその代表ではないだろうか。何年か前に、仕事でとある輸入車ブランドの広報の人に会っていて、何かの話でこの車名を出したところ、その人の反応は「へぇ、そんなクルマがあったんですか!?」というものだった。クルマには明るいはずで、メカ的な話もするし、筆者とは世代が大きく離れているわけではないはずだったが、なるほどそういう存在のクルマだったのかぁと思った次第。

トレディア/コルディアが登場したのは1982年2月。よくあるパターンとして前年1981年の第24回東京モーターショーで、ほぼ量産型のトレディアが参考出品され、翌年になって市販の運びとなった。ちなみに画像ギャラリーでご紹介しているのは第24回東京モーターショーの三菱のパンフレットだが、この年の三菱は「フルラインターボ」を訴求しており、「ランサーEX 1800ターボ」を登場させたばかりで、さらにその下の1400と1600にもターボを準備していた。

1600ターボとして登場したトレディア/コルディア

もっとも小さい1400ターボは当時のミラージュで登場、そのひとつ上のクラスの1600ターボ(パンフレットではクルマの写真部分が水色のシルエットになっている)として登場したのがトレディア/コルディアだった。ショー会場には3ドアハッチバックのコルディアで、ボンネット上にエアスクープがつくターボのコルディアXP(当時のカープラザ向け)と、NAで顔つきの異なるコルディアXG(ギャラン店向け)とが展示されていた。

もちろん当時の東京モーターショーのパンフレットが手元にあるからには筆者も自分の目で会場で実車を見ていたはず。同じショーでは初代パジェロの量産型も展示されていたり、会場の取材が記事になったCG誌1982年1月号では赤いコルディアXPターボが表紙を飾っていた(筆者はなぜかこういうことをよく覚えている)。が、筆者も、このクルマにインパクトがあったか? と問われると、イエスと答える自信はなく、スマートではあったがやや地味目なクルマ……そんな印象を受けたかもしれない。

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空力を意識したデザインも魅力的だった

実際に市販されたクルマは、3ドアハッチバックのコルディアと4ドアノッチバックセダンのトレディアとがあった。当時のミラージュIIの4ドアはホイールベースが2380mmだったのに対してコルディア/トレディアのホイールベースは2445mmと65mm長く、3ドアハッチバックのコルディアは少し間延びして見えなくもなく、トレディアをミラージュIIの4ドアノッチバックセダンと較べると、全高はトレディアが20mm高かったものの全長はミラージュIIセダンのほうが175mm短く、相対的にミラージュIIのほうが小気味よいルックスに見えたかも知れない。

またトレディアもコルディアも、シトロエンほどではなかったがリアフェンダーのアーチラインはタイヤをわずかに隠すデザインで、これは空力を意識したものといった表記を、どこかの資料で読んだ覚えがある。ただし当時の筆者の個人的な感覚では、1978年に登場した初代ミラージュがスタイルに代表される斬新さが魅力だったのに対して、トレディア/コルディアは、後から登場したクルマながら、新型車感がやや弱い……そんな思いを抱いた覚えがある。

とはいえ性能面では、日本初の1600ターボを謳うサターン1600ターボ、G32Bターボがフラッグシップだった。三菱らしくターボに関してはグループ内での自社開発で「純国産の純血ターボ」をアピールしていたほか、初代ミラージュ同様に、MT車ではエコノミー/パワーを切り替えられるスーパーシフトを採用。走りのポテンシャルを広げていた。また1800のエンジンではサイレントシャフトが使われ「4気筒エンジンで8気筒並みの静かさを生む」とカタログでも紹介。併せて「この技術は西独ポルシェ社が、三菱自動車の技術使用許諾を得て、新開発ニューモデルポルシェ944に採用」とも、さり気なく記しているのは、今考えると物凄いことかも知れない。

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