サニートラックのある生活を家族と満喫
数多くの旧車が存在するなかで、不動の人気を誇っているのが「サニトラ」の愛称で親しまれている日産「サニートラック」です。基本構造はサニークーペやセダンと大差なく、それをベースにピックアップトラックとして登場したサニートラックは、1971年の発売から1994年までの23年間、基本的な部分は変わらず生産されました。今回紹介するサニートラックのオーナーである佐々木 響さんは、家族と旧車ライフを満喫しています。
パーツが豊富なのでカスタム好きに人気
細部の改良を繰り返しながらも、長きにわたって日産「サニートラック」が愛され続けた理由は、昭和レトロを感じさせるルックスであろう。そして軽量ボディに、リアに吹き上がるA型エンジンの搭載、そしてFR駆動による俊敏な運動性能の両方が見事に嚙み合ったことで、走らせて面白いクルマとして知名度を高めた点もある。
また、2代目サニートラックはレースでも活躍したクルマなので、チューニングベース車としてもパーツが豊富なことも魅力的。さらに、シンプルな構造が「メカいじりの基本を知るにはもってこい」のクルマだったこともあり、カスタム好きからも愛されている。
先輩から譲ってもらった大切な1台
今回紹介するサニートラックのオーナーである佐々木 響さんはもともとあまり旧車には興味がなかったが、会社の先輩が通勤の足として使っていたサニートラックだけは気になる存在だった。その先輩が病にかかり、もうサニートラックに乗れなくなることを知る。佐々木さんはこのように話す。
「そのまま眠らせておくのも忍びないと、先輩にクルマを売ってくださいとお願いしました。お前ならと特別に譲ってもらったクルマがコレなんです」
年式は1990年式、つまり平成生まれの2代目GB122型サニートラックだ。佐々木さんも平成生まれの29歳ということで、何か共通する縁のように繋がりを感じてしまうという。譲ってもらったサニートラックは先輩が大切に乗っていたので、エンジン、トランスミッション、サスペンションも含め状態はとても良く、ボディのダメージも年式の割に傷みが少ない点も魅力的だった。
サニートラックはノーマルはむしろ少なく、何かしらイジってあるのがセオリーになっている。佐々木さんが先輩から譲ってもらったサニートラックもフロントバンパーにダイハツ「ミラ ターボ」用のスポイラーが装着され、エンジンはノーマルのままだが、吸排気をチューニング。サスペンションもローダウンサスに交換されていた。
佐々木さんは購入後にグリルを交換し、ヘッドライトをマーシャルに変更、そして、ホイールは往年の名モデルであるハヤシ製テクノレーシングの14インチに換えている。
サニートラックに乗って旧車好き仲間ができた
「このクルマに乗ってから、どんなイジり方をしているのか他の旧車も気になりはじめました。旧車好き仲間ができて、いろいろなことを教えてくれますね」
と、佐々木さんは話す。旧車好きは垣根なく気さくに声をかけ、自然と好き者たちの輪が出来ることも魅力的だ。佐々木さんも今ではすっかり旧車のある生活を楽しみ、休日は子どもたちを連れてドライブに出かけ、奥さんとの買い物を満喫。荷台があるので、いろいろな物を積めてとても便利に使えると教えてくれた。
今後の予定はボディの一部が腐りかけてクッキーのようになっている個所があるので修復をしつつ、オールペンを検討中。ボディカラーは白が好きので、おそらく今の白とは違ったクリーム色に近い白にする予定ということだった。
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