驚くほど綺麗な60年前のダットサントラックを発見
2024年10月20日に埼玉県川島町役場にて今年で4回目となる「昭和平成なつかしオールドカー展示会」が開催され、300台を超えるクラシックカーが集結しました。そんな会場で見つけた気になる車両とオーナーを紹介。今回は驚くほど綺麗なコンディションの日産「ダットサントラック」を紹介します。
乗用車より圧倒的に少ない状態の良い商用車
昭和平成なつかしオールドカー展示会の会場内には、クラシックカーと呼ばれるような半世紀以上前の車両からネオクラシック的な車両まで幅広い車両が集まったが、会場内で群を抜いてキレイな状態の古いダットサントラックを発見。通常、トラックのような商用車は酷使されているケースが多く、なかなか状態の良い個体は少ない。ところがこのクルマはまるでタイムスリップしてきたように良い状態なのだ。オーナーの倉持さんにお話を伺ってみた。
「このクルマは今から46年ほど前に手に入れました。当時はまだ720型ダットサントラックが現役の頃ですね。近所の修理屋に入ってきたクルマで、当時所有していた410型ブルーバードと交換して入手しました。手元に来てからレストアしています。その時にエンジンにもしっかりと手を入れたので、今でも元気に走りますよ!」
東京オリンピック開催年に生まれた働き者の1トン積みトラック
ダットサントラックは戦前の初代10T型にルーツを持つ歴史あるモデルで、今回紹介する320型は1961年に登場した5代目モデルとなる。310型ブルーバードと同形状のフロントまわりを持ち、アメリカにも輸出され、1t積みトラックのベストセラーとなった車両だ。倉持さんが所有しているのは1964年式、つまり東京オリンピックの開催された年ということになる。ボディタイプはピックアップで、イベント当日は荷台に会場で販売する部品などを満載でエントリーしていた。
「荷台にバイクを積むこともあります。斜めに積めばナナハンも入りますよ。じつは310型ブルーバードも所有しているんですが、ギア比も全然違って。こちらはローギアードなので、荷物を積んでも力強いんですが、高速では100km/が限界ですね」
パーツ流用でドレスアップを楽しむ
インテリアもレストア時にシートなどをオリジナル同様のマテリアルで張り替えており、状態も良い。ちなみに320型ダットサントラックのサイドブレーキは、運転席右側のシート脇にレバーが設置されている。
キャビンの上に小さなキャリアが装着されているが、じつはこれ、クラシック ミニ用なんだとか。サイズもジャストフィットで、320型ダットサントラックのルーフに装着するために金具部分のみステンレスで作り直している。ちなみにキャリアの前に装着された320の文字はメルセデス・ベンツのエンブレムを流用しているそうだ。またリアゲートの国内仕様には存在しないDATSUNの文字は、海外仕様を参考にしてカッティングシートで再現。基本的にはノーマルながら、細かな部分のドレスアップやカスタムを楽しんでいる。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)