ホモロゲ取得のために生まれた190Eのエボリューションモデル
1980年代のドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)で覇を競ったメルセデス・ベンツ「190シリーズ」(W201)と、BMW E30系「3シリーズ」という、2つのモデルのオーナーたちが合同で開催したミーティング「DTMを戦ったライバルたちの宴」。今回紹介するのは、希少な1989年式「190E 2.5-16 エボリューションI」ですが、オーナーの中島さんは毎日の通勤に乗っているとのこと。どんなカーライフを送っているのでしょうか。
コーナーなどの走りはもちろん、街乗りもしやすい
DTMなどのツーリングカーレースに出場するためのホモロゲーションモデルとして投入された、メルセデス・ベンツ「190E」のエボリューションモデル。リアスポイラーなどのエアロパーツを装着し、2.5L直列4気筒エンジン(2.5-16)を搭載。このエボリューションモデルは、「I」と「II」の2モデルが販売され、ともに限定生産となっていた。この190Eの1989年式エボリューションIでイベントに参加していたのが、中島俊明さんだ。
中島さんは10数年前にこのクルマを購入したそうだが、それ以前はエボリューションII仕様の190Eに乗っていたという。かなり前の話となるが、「仕様」から、本物のエボリューションIに乗り換えた当時の印象はいかがなものだったのだろうか。
「やはりエンジンとかも回りますし、足まわりもそれまでは硬い感じの仕様にしてたんですけど、レベライザーが付いていてしんなりとした感覚の乗り心地になって、コーナーも踏ん張ってくれましたね。段差のあるところも車高調が付いているので、車高を上げれば下を擦ることもなく、街乗りもしやすく感じました」
毎日の通勤に使用して10万キロ走行
限定車ということで販売台数も少なく希少なモデルとなっているエボリューションIだが、なんと中島さんは毎日の通勤にも使用しているという。
「10万kmくらいは毎日の通勤で乗っています。この型がホント好きで、もう毎日乗っていたいって気持ちなんですよ。この間、代車を借りたんですけど、最新の機能が付いていて乗りやすかったんです。でもやっぱりマニュアルで、ヘッドライトもワイパーも自分でやんなきゃいけないっていう、こういうクルマが好きなんですよ」
プラスチック部品の入手が悩みの種
現在走行距離は20万kmオーバーとなっているが「整備していれば乗れてしまうクルマなので」ということで問題はないそうだが、やはりパーツに関しては手に入れにくい状態になっているようだ。
購入してから今まで10万km以上走行してそんなに大きなトラブルもないそうだが、現在はオイル漏れによりレベライザーはオフし、配線は残したままビルシュタインのショックアブソーバーに交換し、マフラーもオリジナルのものをセットしているという。今後は大きな変更等を加える気はないそうだが、やってみたいことはあるとのことだ。
「希望としてはエンジンを降ろして、エンジンルームとかも綺麗にしたいんですが、エンジンを降ろすとしたらハーネスとかも外さなきゃいけないので、多分プラスチック部品などがボロボロになると思うんです。もうプラスチックの部品は、どうにもならないですね。パーツも手に入りにくくなっているので、どうしようかなと思っているところなんですよ」
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