サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?

ブガッティ W16ミストラル ワールドレコードカー:バンクを抜けて直線に入ると車両のフルパワーを発揮し、記録的な最高速度に挑んだ

世界新記録となる最高速度453.91km/hを記録

ブガッティは、「W16ミストラル」の「ワールドレコードカー」と名づけられたモデルが、オープンモデルの世界新記録となる最高速度453.91km/hを樹立したと発表しました。この記録により、ブガッティによる比類なきエンジニアリングとドライビング技術があらためて証明されました。この記録達成の様子を見てみましょう。

ブガッティが最高速度を記録する物語は2010年からはじまった

ブガッティ「W16ミストラル ワールドレコードカー」の記録更新は、ドイツ北部のATP(オートモーティブ・テスティング・パーペンブルク)で行われた。ブガッティは2010年6月に「ヴェイロン16.4 スーパースポーツ」が431.07km/hの記録を達成し、比類なきスピードを追求する歴史的な道筋を描いてきた。

さらに「ヴェイロン 16.4 スーパースポーツ」の偉業から3年後、オープンモデルの「ヴェイロン 16.4 グランスポーツ ヴィテス」が408.84km/hを記録し、自動車の歴史に新たな1ページを開くこととなった。また、2019年には「シロン スーパースポーツ300+」が490.48km/hを記録し、クローズドコクピットの世界記録を再び更新した。

ブガッティは、オープンモデルの「W16ミストラル」で再びその偉業を超えることを目指した。そして、数カ月にわたる綿密な準備と、入念に計画されたテストを経て、2024年11月9日、ATPで頂点を迎えることとなった。この記念すべきイベントには著名なゲスト、同社のマテ・リマックCEO、ブガッティの従業員が参加した。

アンディ・ウォレス氏がテストドライバーを務める

ル・マン24時間レースの優勝者であり、ブガッティの公式ドライバーであるアンディ・ウォレス氏が、1台限りのW16ミストラルのハンドルを握り、特注の高性能タイヤを暖めるために期待に満ちた最初の周回を行った。規定の速度である200km/hに達したところでコースのバンクに差しかかると、さらに加速。バンクを抜けて直線に入ると車両のフルパワーを発揮し、記録的な最高速度に挑んだ。

SGS-TÜV Saar GmbHの管理の下、オープンモデルの世界最高速度記録更新は走行終了後に正式に確認され、アンディは453.91km/hという驚異的な速度を記録した。このクルマのオーナーは記録達成の瞬間に立ち会う機会が提供され、記念すべき日を祝す体験を堪能した。また、このオーナーはアンディとともに世界記録に続く高速同乗走行に参加する機会を与えられた。これは、おそらく顧客が乗ったクルマとして史上最速の非公式記録となるだろう。

この歴史歴瞬間をマテ・リマックCEOは次のように述べている。

「1909年の創業以来、ブガッティはラグジュアリー、エレガンス、パフォーマンスの分野で、人々が抱く可能性の限界を超えることを目指してきました。ブガッティの歴史を通じて世界記録を樹立したクルマは、スピードとパワーの究極の形を体現し、ブガッティが持つ可能性を何度も再定義してきたのです。

そして今、W16ミストラルの比類なき偉業が歴史に刻まれたことで、歴史が繰り返されるだけでなく、新たな歴史が刻まれるのを目にしています。この驚くべき偉業を達成したチーム全員を非常に誇りに思います。この偉業は、情熱と完璧を追求することによって達成されました。それがまさにブガッティを定義づけるものであり、その偉業を真に比類のないものとしているのです」

AMWノミカタ

これまでのオープンモデルの最速である408.84km/hを45km/hも上回る453.91km/hをW16ミストラルは達成したという。まったく想像のできないスピードである。もはやこの手の速度競争や馬力競争に人々はあまり関心を寄せていないと思っていたが、馬力に関して言えば最近はハイブリッドのパワートレインと組み合わせることによって高出力を発揮するモデルが増えてきた。

ランボルギーニ「レヴエルト」は1000ps超えの最高出力1015psを発揮し、つい最近発表されたマクラーレン「W1」は最高出力1275psを発表している。ブガッティのこの記録達成は他車とのスピード競争とは少し意味合いが違うように感じる。これはマテ・マリック氏の「1909年の創業以来、ブガッティは、ラグジュアリー、エレガンス、パフォーマンスの分野で、人々が抱く可能性の限界を超えることを目指してきた」という言葉に象徴されている。つまりブガッティがブガッティであるためには現状に留まらず、つねに記録に立ち向かわなければならないというブランドの使命による活動なのだろう。

同じ目標と情熱を社員と共有し、同じ達成感を味わう。これを続けてきたのがブガッティなのだろう。数字の比較だけでは表せないブランドの底しれぬ力強さを感じる。

モバイルバージョンを終了