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荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】

KINコーヒーのキャンプサイト。整備はほとんどされていない

目当てはリッチフィールド国立公園のループトレイル

オーストラリア・ノーザンテリトリー州でトヨタ「ハイラックス」ベースのキャンピングカー、アポロ「キャンパーバン」をレンタルして、釣り人としてバラマンディの大物を狙う23日間の旅をレポート。仲間と男3人でフィッシングを満喫するという旅の前半は終了し、次の1週間はノーザンテリトリーの国立公園を一人旅して徐々に南下するプランで、ダーウィンの町を出発します。

園内マップはスマホで撮影するのが当たり前の時代

翌日はリッチフィールド国立公園を目指して出発だ。カカドゥ国立公園とは違い、きれいな滝やハイキングコースが見どころだ。

公園のエントランスタウン、バチェラーまでは約1時間のドライブ。インフォメーションは開いていたが、ほしかった園内の地図が見当たらずスタッフもいない。近くのカントリーストアで聞くと、「みんな、写真を撮っているわよ」という。たしかに、インフォメーションの前に大きな地図がある。ハイキングコースのルートマップもあったので、スマホで撮影した。

さらに30分ほど走ると、フローレンス滝という最初の観光スポットに到着した。公園内のサインも見やすく、よく整備されている印象だ。まずは、クリーク(小川)の横でフルーツランチ。すでに気温が上がっているが、風が気持ちいい。

フローレンス滝は、滝壺で泳げるのがセールスポイント。「アポロ号」の中で海パンに履き替え、滝壺へと向かった。滝は豪快に豊富な水を落下させている。いくら雨季の雨がすごいといっても、カラカラの乾季にもかかわらず、これだけの水量を蓄えるとは、やはり森林の力はすごい。

家族連れに混じって水泳を楽しみ、次のポイントへと向かった。

軽い気持ちでトレイルに挑戦……

リッチフィールド国立公園で一番楽しみにしていたのは、テーブルトップ・トラック。途中にキャンプ場が3カ所ある39kmのループトレイルだ。ガイドブックには3~5日で1周できる、とある。

自慢ではないが、ぼくは約340kmのジョン・ミューア・トレイルを踏破したことがある。10数kgのバックパックを背負って、3000m級の峠をいくつも超えるハードな道だった。39kmのハイキングなら、2日くらいで歩けるだろう。午後からの出発だから日程的に1周は無理としても、6km先のキャンプサイトで1泊し、翌日は行けるところまで行って引き返す計画を立てた。

1泊分の山用食料とクッカー、水3L、テントなどを小さなバックパックに入れて、ワンギ滝のリンク・ウォークから出発。最初は快調だったが、周回トレイルに入ると足が止まった。なんと腰の高さの草原である。そういえば、ガイドブックに「Tabletop Track(Bush Walk)」と書いてあった。「ブッシュ・ウォーク」の部分は無視していたが、これは藪漕ぎではないか。しっかりしたトレッキングシューズにブッシュ用のナイフなどがないと進むことができない。

オーストラリア、恐るべし。甘くみたことを反省し、イージーなハイキングコースを回って戻ることにした。

キャンプ場が満杯で駆け込んだ先は「カフェ」

ワンギ滝のキャンプ場にいくと、スポットが空いている。適当なところにアポロ号を停めて、キャンプホストのサイトを訪ねた。「オンラインでチェックインしてください」という張り紙が気になったからだ。チェックインしたいが、電話の電波も届かず、やりようがない。

「予約はしたの?」

「していません。とりあえず、空いているところに停めたんですが」

「今日は予約で一杯よ」

「え、本当ですか」

「7月1日まで空きはないわよ」

そうか、街から近いキャンプ場は、ノーザンテリトリーでも予約が必要なのか。

困った顔をしていると、「10分くらい走ると、キン・コーヒーというカフェがあるから、そこで聞いてみたら」という。「カフェ?」こんなところにコーヒーショップがあるはずがないと思って聞き返すと、コーヒーを飲む仕草をした。

半信半疑のまま走ると、ありました。「KIN COFFEE」のサイン。しかし、矢印にしたがって左折するとアンシールド(未舗装路)になってしまった。「ホンマかいな」と思ってさらに走ると、ありました、「KIN COFFEE」。閉店間際だったが、なんとかスポットをひとつ確保した。

区画もされていない荒地で、どこでも停めていいという。25ドルが安いのか高いのか微妙だが、とりあえず今日のお宿は確保した。それにしても、ここでカフェが成り立つのか、と不思議に思うが、普通じゃない商売こそ繁盛するのかもしれない。

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