サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

トヨタKP61「スターレット」で孤軍奮闘! 日産B310「サニー」でないと勝てないレースでなぜ? 思い出が詰まった愛車を紹介します

サニーでしか勝てないと言われるTSカップに思い出の詰まったトヨタKP61スターレットで挑戦し続けるカナザワヒデヨシ選手

B310サニーが大勢を占めるJCCA「TSカップ」で1台だけのスターレット

JCCA(日本クラシックカー協会)主催のヒストリックカーレースが2024年10月13日に筑波サーキットで開催。いくつものカテゴリーの中でも、「サニーでないと勝てない」と言われているのが「TSカップ」です。そんなサニー中心のレースの中で、トヨタKP61型「スターレット」にこだわり孤軍奮闘しているオーナーを直撃しました。

KP61のオーナーはサスペンション開発のプロ

2024年10月13日に筑波サーキットで秋の部が開催された「JCCA筑波ミーティング」。マイナーツーリングというマシンで競う「TSカップ」は、往年の名シーンの再現とも言えるカテゴリーだ。毎回白熱した展開がコースサイドを沸かせてくれる。

参加台数、先頭集団ともに日産B310型「サニー」の独壇場となっている、このTSカップ。エントリー車両の並ぶパルクフェルメで、この日B310サニー以外の参加は1台きりだったが、それが今回ご紹介するトヨタKP61型「スターレット」だ。フロント210-500-13インチ、リアはさらに大きく230サイズのスリックタイヤを収めるボディは、TRDのN2タイプのエアロパーツで武装されてグラマラスな佇まいとなっている。

そんなKP61スターレットのまわりで予選後、仲間たちと談笑していたのがオーナーのカナザワ ヒデヨシさんだ。じつはカナザワさん、サスペンションメーカー勤務時代には、さまざまな車種の足まわりの試作開発、製品化に携わるのみならず、モータースポーツ部長として、サーキットからラリーまで多様な分野のコンペティションでのサスペンション設計に携わっていたという経歴の持ち主。

現在はサスペンションブランド「ビルズ」の代表として、高性能でありながら高い耐久性を持つダンパー作りをモットーに、ユーザー目線での足まわり開発に奮闘し、質実剛健派のユーザーに支持されている。

独立後に最初に携わったレースマシンを愛用し続ける

カナザワさんはB310サニー、KP61スターレットはそれぞれ10台以上は乗り継ぎ(乗り潰し?)、いろいろな経験をして、ともに大好きなクルマというが、なぜレースはKP61なのかを聞いてみた。

「TSカップに参加しているオーナーさんからお話をいただいて足まわり開発をさせていただいた、独立後に最初に携わったレースマシンです。そうしたこともあって、この車両には、ひと言では言い表せない思い出が詰まっています」

自ら携わりながらオーナーとともに戦歴を重ねていったという特別な思いのあるこのKP61を、年齢的にレースを引退するというオーナーから譲り受けたのが15年前のこと。以降カナザワさんがオーナードライバーとしてTSカップに参加を継続しているそうだ。

1度だけ表彰台に上がったことも! まだまだ進化する予定

JCCAのTSカップは、レギュレーションでエンジン排気量が1310ccまでのTS-1クラス、1310ccから1510ccまでのTS-2クラスという2つのクラスが存在する。

カナザワさんのKP61スターレットは4K改エンジンで1430ccのためTS-2クラスとなり、総合的なハンデとして50kgのウエイトが積まれているそうだ。

「100ccの排気量差に対して50kgのウエイトハンデはきついですね。トップスピード、ブレーキ、コーナリング、さまざまなことに影響してきますから。それでもサニーじゃないと勝てないと言われているこのカテゴリーで、1度だけ3位で表彰台に上がったことは思い出に残ってます」

すでに3Kエンジンのクランクを入手しているというカナザワさん。ウエイトハンデの無くなったTS-1クラスでリスタートを切る計画もあるという。

「TSカップでは少数派のKP61ですが、これからも頑張って走ります! 現在、メンテナンスしてもらっているのがウチダテクノサービスさんなのですが、エンジンなどを作ってもらってから劇的に速くなりました。K型エンジンにとても詳しくてウチダさんとコンビを組んでからは俄然やる気が出ています」

長年の思いに加えて、現在進行形でのチームワークもKP61での参戦の新たな意気込みとなっているカナザワさんであった。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

モバイルバージョンを終了