安全運転の手本とされるようなドライバーを目指そう
クルマの動きを周囲に知らせるツールとして、大切な役割を持つのが「方向指示器」ことウインカー。使用するタイミングは道路交通法施行令第21条を要約すると、左折または右折や転回する地点から30m前に達したとき、進路変更するときは実行の3秒前と厳格に定められています。
街なかでウインカーを出さずに右左折するクルマが多い!
ウインカーを正しく使わなければ「合図不履行違反」となり減点1、反則金6000円(普通車)が科せられるにもかかわらず、巷ではウインカーをまったく出さないまま曲がり、車線変更する直前や同時に出すクルマが後を絶たない。交通量が少ないからといって許される行為ではなく、見かけるだけでイラッとさせられてしまうのも事実だ。
2016年にJAFが行なった交通マナーに関するアンケートがある。全国の自動車ユーザー6万4677名を対象にリサーチしたところ、ウインカーを出さずに進路変更や右左折するクルマが多いと思う人は、なんと「とても思う」とやや「思う」を合わせて77.1%にも達した。
都道府県ごとに見るとワーストは岡山県の91%で、おまけに「とても思う」は53.2%とダントツ。以降も香川や徳島や沖縄など西日本が続いており、該当する自治体では独自の路上表示を設け、さまざまな手段で注意喚起を促しているとのことだ。
ウインカーを出し忘れたことで事故につながることも
前述のアンケートから早くも8年が過ぎた現在、それらの対策が功を奏していることを祈りたい。クルマだけではなく歩行者を含むすべての人がルールを守り、かつ周囲に配慮して行動するからこそ交通安全は成り立つのだ。ウインカーを出すのが遅ければ、直進しているクルマ同士が接触する事故、左折する際に歩行者や自転車を巻き込む事故、追突や右直(右折車と直進車)事故など、自分だけではなく他人の生命すら脅かしかねない。
くれぐれも「早く出すと初心者っぽい」とか「出さずに曲がるほうがカッコいい」など、変な勘違いをせず、周りから安全運転の手本とされるようなドライバーを目指してほしい。
もうひとつ気を付けたいのはウインカーを正しく使うだけではなく、進路変更や右左折する際は周囲の状況をよく確認してから動くこと。加えて交差点から30m以内や急な坂といった、進路変更が禁止の場所も把握しておこう。
悪意はなくともやってしまいがちなケースが、旅行や出張した先でレンタカーを使うとき。ウインカーの位置やドアミラーの視角が普段から乗っている愛車と異なるうえ、土地勘がないゆえに曲がるべき交差点の直前で気付くなんて可能性も十分にある。そんなときはベテランでも注意散漫になりがちだが、慌てて動いて事故を起こしたら元も子もない。多少のタイムロスは割り切って迂回するのがベターだろう。