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中古の日産「マーチ」を個人売買で購入するも半年で廃車に…ドイツ駐在員の奥様の買い物グルマは長距離に不向きだった!?【みどり独乙通信】

ミュンヘン市内の中古車販売店。中古車はコロナ禍を経てさらに高騰している

ドイツの中古車事情とは

ドイツ在住で、モータースポーツを中心に取材している池ノ内みどりさん。日本で中古車を購入する場合は中古車販売店、ディーラー、オークションなどさまざまですが、ドイツではどのような方法が多いのでしょうか? 中古車事情を紹介します。

個人売買でマーチを購入

みなさんはどのように愛車を手に入れられましたか? 新車でご購入の方が多いかと予想していますが、状態の良い中古車をご購入になられる方もきっといらっしゃることでしょう。私はお恥ずかしながら、新車で購入した経験が一度もありません。

日本では中古車を購入する場合はディーラーの前に並んでいる車両から選んだり、中古車センターやネットで検索したりするのでしょうか。ドイツでは個人売買で中古車を購入することが多々あり、「mobile.de」や「AutoScout24.de」を代表とする中古車販売のオンラインサイトの活用がされているようです。mobile.deでは自動車販売店の車両も個人で販売されている車両も、両方載っています。

私自身がドイツで最初に買ったのは、駐在員の奥様がお買い物用に乗っておられた2007年製の日産の「ミクラ」(日本ではマーチ、イギリスではマイクラと称される)のK12型だったと思います。私はそれまでとんでもなく長い期間でペーパードライバーだったこともあり、同じ市内に住む元スーパーGTドライバーのドミニク・シュワガー君にミクラを試走してもらいました。

とてもキレイな状態でしたし、カーナビもドラレコも日本製がすでにセットされていたこともあり、すぐに購入を決めました。とてもキレイな状態でお手軽金額だったことも決め手になりました。後日お金を振込んで書類のやりとりや陸運局やお役所に行って、名義変更の手続きをしました。

ただ、私はペーパードライバーなうえ、初めての右側通行・左ハンドルだったこともあり、近所の自動車教習所に通って4~5回のペーパードライバー講習を受けてからクルマを受け取りに行きました。変な汗をいっぱいかきながら超ドキドキしながらクルマを引き取りに行って、家まで帰ったのを覚えています(笑)。

納車翌日に片道約540キロのニュルブルクリンクへ

当時何を思ったのか、その翌日からいきなり1人で運転をして片道約540kmのニュルブルクリンクへニュル24時間レースの取材に出かけたのです。そりゃ~怖い、怖い! ドイツには初心者マークがありませんので、プリンターで大きな太文字で「Anfänger(初心者)」を大きくプリントアウトして、「みなさんにご迷惑をお掛けします」という意味を込めてリアガラスに貼り付けて出発しました(笑)。

初めてのドイツでの1人運転、それもアウトバーン。自分の運転技術も怖いのですが、他に何が一番怖いかというと、街乗りには最高なミクラですが、アウトバーンではトルクがなさすぎて非力すぎたのです。ほとんどトラックの後ろに付いてニュルまで行ったのを覚えています。

さて、そんなミクラですが、半年くらい経った頃にアウトバーン走行中に急遽パワステが効かなくなりました。慌ててサービスエリアに入り、エンジンを一旦切って暫く待ってから再スタート。しばらく大丈夫かな? と思ったのですが、再び効かなくなったので次の出口でゆっくりと降りて信号で停まっていたら、とんでもない大きな爆発音のような音がしたので慌てて路肩に停車すると、オイル類や冷却水がすべて流れ出していました。

その近所にあった自動車修理工場の方に見てもらったところ、エンジンマウントが折れた衝撃でエンジンもダメになっていたそうで、購入後わずか半年で廃車となりました。個人売買で初めて購入したクルマが運悪くハズレのクルマだったこともあり、その後二度と個人売買には手を出さず、保証付きのディーラーの認定中古車を友人が経営しているディーラーで購入しています。新車を購入できれば一番良いのですけどね。

中古車がコロナ禍を経てさらに高騰

ディーラーの認定中古車は、とくに大型店舗には多くの選択肢がありますから、見に行くのも楽しいですよね。日本の中古車センターのような大規模な所はありませんが、ドイツでも中古車専門店があり、そこに並んでいるクルマを購入することもできます。

日本で言うところの「地元の掲示板 ジモティ」のような掲示板にも売りに出しておられる方は多くおられますが、正直にいって日本じゃ廃車以外には考えられないボロ車でも数十万円の値をつけて売っている方もおられます。

また、「このクルマを売ります」とクルマに紙が貼ってあり、販売価格と連絡先が記載されていて、そのまま日常を過ごしているクルマも時々見かけます。

もともとドイツでは中古車価格は日本のように安くはないのですが、コロナ禍を経てさらに高騰しています。その一方で円安の恩恵もあり、ヨーロッパの自動車輸入業者には日本の状態の良い中古車を安く仕入れている方もいらっしゃるようですね。

とくに日本で高級車を所有の方は日常的に使用せずほぼ週末や休日にしか乗らない方が多いらしく、走行距離はビックリするほど少ない特上車が多いと聞きます。ドイツでは20万km、30万km超えの中古車も当たり前に売られており、それでもそこそこの値が付くのが日本とは違うところですね。

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