現場で修理するのは非常に危険
JAFによると2023年度は2万5684件、高速道路を走行中にタイヤがパンクしてのロードサービス要請があったそうで、いつ自分の身に降りかかるか分からないトラブルといえます。不幸にもそんな事態に見舞われたとき、いったいどう対処するのが正解なのでしょうか。
「非常駐車帯」まで移動し発煙筒と三角表示板を表示
パンクが原因と思われる振動やハンドルのブレを感じたら、慌てることなくハザードランプで周囲の車両に異変を伝え、ゆっくり減速し「非常駐車帯」まで移動してから停車する。路肩はもちろん、走行車線は他の交通を妨げるどころか、大きな事故を引き起こす可能性があるので絶対にNGだ。高速道路の非常駐車帯は約500m間隔(トンネル内は約750m)で設置され、徐行しながらであればクルマに大きなダメージを与えずに移動できる。
安全な場所に着いたら発煙筒と三角表示板で、故障車が停まっていることをアピールする。このとき車外へは走行車線側になる運転席からではなく、助手席側から出るのが鉄則ということも覚えておきたい。ハザードランプも当然ながら点けっぱなしだ。なお三角表示板を置く位置は故障車から50m以上の後方で、設置しないと「故障車両表示義務違反」になるので要注意。
注意喚起が済んだら道路緊急ダイヤル(#9910)か110番に連絡し、車両トラブルの具体的な内容や停車している場所を正確に伝えよう。通報することで高速道路の情報板やサービスエリアなどのモニターに故障車がいると表示され、必要に応じて高速道路交通警察隊や交通管理隊を派遣し車線規制などの対応をしてくれる。
車内で待機をするのは危険
続いてJAFや自分が加入する保険会社と提携しているロードサービスに連絡し、パーキングエリアやサービスエリアもしくは高速道路の出口まで運んでもらう。レスキューが駆け付けるまでの間はクルマから降り、ガードレールの外側で待機するというのも忘れずに。
いくら三角表示板や発煙筒を使っていようと、他の車両が突っ込んでくる確率はゼロではない。暑くても寒くても雨が降っていても車内で待機するのは絶対にダメ。またスペアタイヤやパンク修理キットを持っていても、現場で修理するのは非常に危険なので止めておこう。
最後にパンクを防ぐための心得を。異物を踏み抜いたなど外的要因は仕方ないにせよ、日常のメンテナンスでパンクはだいぶ回避できる。一番はタイヤの空気圧だ。運転席のドア付近に適正な空気圧が記されたステッカーがあるので、その数値から大きくズレていないか定期的に確認するクセを付けよう。
交換して何年か経っているタイヤであれば、残量やヒビ割れなど劣化の兆候もチェックし、異常を発見したら最寄りの整備工場などに相談。高速道路でのパンクは大きなリスクを伴う。トラブルが起きたときに取るべき正しい対処法を知っておくと同時に、タイヤを含め愛車のコンディションに普段から気を配っておきたい。