独自のモデルを生産する自動車メーカーとしての勢いは健在
ドイツのチューニングカーメーカーのブラバスは2024年12月10日、メルセデスAMGの「C 63 S E Performance」、「GLC 63 S E Performance」、そして「GT 63」をベースとした新作を発表しました。それぞれ異なるカスタムが施されたハイパフォーマンスな3台の詳細をお伝えします。
3台のモデルをベースに最新作が登場
1977年に創業したブラバスは、現在ではメルセデス・ベンツのチューニングを中心に、自動車メーカーとして独自の活動を行うに至っている。2024年のエッセン・モーターショーで、彼らがとくに強くアピールしていたのは、最近、メルセデス・ベンツやスマートのチューニングとともに、ビジネスの規模を拡大しているヴィンテージカー・レストアの領域だ。その卓越した職人技に裏付けされたレストアの技術は、すでにクラシック・メルセデスのユーザーには高く評価されている。
一方で2024年のブラバスは、最新のチューニング・モデルに関しては、2023年同様やや控えめな発表にとどまった。もちろん世界が待ち望むニューモデルが存在しなかったわけではない。今回紹介する3台は、エッセン・モーターショーに前後してブラバスから発表されているのだから、メルセデス・ベンツをベースに独自のモデルを生産する自動車メーカーとしての勢いは健在だ。さっそくそれぞれのモデルを簡単に紹介しよう。
ブラバス 750(メルセデスAMG GT 63)
まずは最新のC192型メルセデスAMG「GT 63」がベースとなる「ブラバス 750」だが、これはまさに空力に富むボディと強力なエンジンで究極ともいうべき走りを楽しませてくれるモデル。搭載されるエンジンは、車名にも示されているとおり750psにまで最高出力を高め、最大トルクでは900Nmをブラバスのチューニングで得た4LのV型8気筒ツインターボ。パワーアップの秘密はブラバス独自のECU「パワーエクストラB40S-750」と、軽量なステンレススチール製のエグゾーストシステム(4本出しのテールパイプ部はカーボンで仕上げられている)にある。
この強大なパワーに対応するため独自のセッティングが施されたシャシーは、ノーマル比で25mm車高を低下させ、コーナリング時の安定感をさらに向上させた。前後のホイールはブラバスの「モノブロックZ」で、サイズはフロントが21インチ径、リアは22インチ径が設定される。エクステリアに装着されるエアロダイナミック・コンポーネントの恩恵もあり、0-100km/h加速は2.9秒で終了し、最高速はリミッター作動による315km/hとなる。
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ブラバス730(メルセデスAMG C 63 S E Performance)
メルセデスAMG「C 63 S E Performance」をベースとするモデルには、セダンとワゴンの730ps仕様、「ブラバス 730」が登場した。フロントスポイラーやフロントエアインテークラジエターグリルなどは、このブラバス 730専用のもの。専用のスプリングを用いたシャシーは、車高を5mmから20mmローダウンさせることが可能で、ホイールはブラバス製の「モノブロックZ21 プレミアムエディション」を、前後ともに21インチで装着する。インテリアのドアシルやブラバスのアルミニウムペダルなど、アクセサリーとして魅力的なアイテムの装備も多い。
ブラバス730(メルセデスAMG GLC 63 S E Performance)
メルセデスAMG「GLC 63 S E Performance(X254)」をベースに製作された「ブラバス 730」は、搭載される2Lの直列4気筒エンジンの出力を476psから526psにアップ。そしてリアアクスルに配置されたエレクトリックモーターのパフォーマンス・アップグレードとの組み合わせで、システム全体で730psの最高出力と645Nmの最大トルクを得たスーパーSUVだ。もちろんこのパワーアップに対応してシャシーも十分に強化されており、さらにブラバスでは21インチから22インチまでのホイールをさまざまなデザインで提供している。参考までに最高速はこちらもリミッター制御による275km/h。しかしながらそれは、SUVとしては十分なパフォーマンスといえるだろう。
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