アリススプリングス空港で妻と合流してエアーズロックへ
オーストラリア・ノーザンテリトリー州でトヨタ「ハイラックス」ベースのキャンピングカー、アポロ「キャンパーバン」をレンタルして、釣り人としてバラマンディの大物を狙う23日間の旅をレポート。仲間とフィッシングを満喫した後は国立公園を一人旅。旅の終盤は、アリススプリングス空港で日本から来た妻と合流して、オーストラリア最大のランドマークであるウルル(旧称エアーズロックの現地名)を目指します。
アリススプリングスは「オーストラリアのルート66」の中心地
アリススプリングス、1日目。朝、起きると小雨が降っていた。肌寒い。これまで旅行をしてきたノーザンテリトリー北部は、連日、快晴で30℃を超える日ばかりだった。
オーストラリアにもこんな天気があるのか、と荷物の中からパーカーを探しながら思ったが、1000km、東京~伊達紋別の距離を真南に降りたのだから、気候が変わっても当然だった。
今日は午後1時にアリススプリングス空港に到着する妻をピックアップして、ウルル(旧称エアーズロック)に向かう。できれば、4時ごろまでにはチェックインしたい。そう思って、ナビに入力すると……、何っ~! ウルルまで450km、4時間半もかかるのか! 勝手に2時間くらいと思い込んでいたが、今日もまたアウトバック激走である。
ちなみに、一般的に「アウトバック」というとオーストラリア内部の荒野を指すが、それとは別に「アウトバック・ウェイ」という道がある。西オーストラリア州のラバートンとクイーンズランド州のウィントンを東西に結ぶ開拓の道で、「オーストラリアのルート66」とも呼ばれている。アリススプリングスはそのアウトバック・ウェイの中心地で、ウルルまでのハイウェイは、その由緒正しい道の一部なのだ。
アボリジニー・アートの街を散策
洗濯をしながら朝食を取り、リゾートをチェックアウト。町中にあるスーパーマーケットの駐車場に「アポロ号」を止めた。もう、食料がすっからかんである。今日から2日間はウルルのリゾート、ユララのなかのキャンプ場に泊まる予定だ。食料や水を仕入れておかなくてはいけない。
買い物が終わり、ダウンタウンをブラつく。トッドモールというメインストリートで土産物屋を冷やかして歩く。アリススプリングスはアボリジニー・アートの中心地でもある。さまざまなテキスタイルやアートピースが並んでいる。なかには、欲しいものもある。この町にはもう一度、戻ってくるので、とりあえず今日は下見だ。
ブラブラ歩いていると、ありました! ツーリストでにぎわうレストランだ! ダーウィンでアジア飯を食べて以来、5日間、ずっと自炊を続けていた。体がまともな料理を欲している。メニューを見ると、どれもおいしそうで目移りがする。悩んだ末、ポーチドエッグとプルドポークのブレックファストにした。すると、これが大正解。うまい! 体にパワーが蘇ってきた。
遠くに見える「エアーズロック」に感動……しかし!
飛行機が遅れて、午後2時、妻が到着ロビーから現れた。彼女と大きなスーツケースを載せて、アポロ号は再び、アウトバックへと走り出た。
数分で町を抜けると、すぐに雄大な景色が広がる。ぼくは前日に嫌というほど見ていたが、東京でサラリーマンをする妻にしてみれば、これぞ異次元の世界である。自他ともに認めるシティ派だが、さすがにこの景色には感動しているようだ。スマホでバシャバシャと写真を撮っている。
3時間ほど走り、太陽が西に傾いてきたころ、左手前方にウルルが現れた。
「おお、すごい!」
「すごく大きいね。ここまで来てよかった!」
ちょうど、道路脇にビューエリアがあったので、クルマを止めた。ふたりでバシャバシャと写真を撮る。彼女は「夕日までここにいたい」と、勝手なことをいうが、キャンプ場まではまだ100km以上ある。昨日、闇の中のドライブでさんざんな目に遭った。今日は、明るいうちに着きたい。粘る妻を説得して、キャンプ場を目指す。
夕景のハイウェイを120km/hで激走したが、キャンプ場到着は7時。またしても真っ暗になってしまった。しかも、日が暮れるとキャンプ場のなかも分かりにくい。なんとか、自分のスポットを見つけて、アポロ号をキャンプモードにセットした。
ところで、途中で見えたウルルだが、じつはウルルではなかった。それはそうだ。あんなに間近に見えた山が、100kmも先のわけがない。バシャバシャ激写した山は、コナー山という別の景勝地だった。それに気づいたのは、帰りにもう一度、コナー山が見えてきたときだった。
■「豪州釣りキャンの旅」連載記事一覧はこちら