最新のNISMOスポーツパーツで武装したフェアレディZ NISMO
NISMO(ニスモ)はニッサン・モータースポーツ・インターナショナルの略で、レースやチューニングパーツなどを販売する日産直系の会社。現在はオーテックと合併し日産モータースポーツ&カスタマイズとして、NISMOブランドのパーツを展開しています。今回は、日産「スカイライン NISMO」に最新NISMOスポーツパーツを満載したデモカーに試乗してみました。
さらなるレスポンスアップと軽量化を追求
装着パーツの注目は「NISMOスポーツリセッティングTYPE-2」。こちらはメーカー直系だからこそできる、エンジンコントロールユニット(ECU)データの書き換えチューニングだ。初期から中間域のスロットルマップの変更を行い、発進や加速時にスムーズでスポーティな加速感を実現。またオートマチックミッション制御に関するトルク補正のチューニングを行っていて、キックダウン時の介入速度を変更することでレスポンス良く加速できるようになっている。
ホイールはNISMO伝統のLMGTをベースに今回リニューアル開発。より高い次元での剛性アップを実現している。もちろん軽量化にもなり、4本で約15kgもの軽量化を可能としている。LSDは機械式でしっかりとしたトラクションを確保。エンジンパワーが420psあるだけにスポーツ走行には必須の装備だ。
サスペンションはオーリンズとNISMOのコラボ品。オーリンズオリジナルモデルに対してストローク長を伸ばし、リアのスプリングレートも変更。突き上げを抑えたしなやかな仕上がりを目指している。マフラーはチタン製をラインアップ。純正マフラーに対して約50%という大幅な軽量化が可能となっていて、出力アップやレスポンス向上に加えて10.6kgもの軽量化を実現している。
普段乗りの扱いやすさはそのまま、走って楽しくなる
今回の試乗はモビリティリゾートもてぎ南コース。広場に白線とパイロンで作られたコースをワインディングに見立てて走ったが、クローズドコースならではのフル加速やフル減速なども試すことができた。
走り出しから感じるのがアクセルレスポンスのリニアさ。NISMOスポーツリセッティングTYPE-2では「STANDARD」モードのアクセルレスポンスが最適化されている。その領域が扱いやすい。ちなみに「SPORT」モードなどは変わっておらず、こちらはもともとアクセル操作に対してスロットルがダイナミックに反応することで、よりエンジンの元気さが感じられるモード。本格的にスポーツするのであればこちらのモードで構わないが、NISMOスポーツリセッティングTYPE-2では普段乗りの扱いやすさはそのままに、よりリニアに乗りやすくなっている。
さらに高速道路の追い越しを想定して中間加速してみると、瞬時にキックダウンして加速力を得られる。ここでワンテンポ遅れるとモタモタ感があるが、瞬時に加速するので合流加速なども小気味よい。走って楽しくなるのだ。
ノーマル同等の乗り心地で軽快な走りを実現
420psもの圧倒的なパワーを路面に伝えるサスペンションは極めてしやなか。車高調が入っていると言われなければ分からないレベルでしなやかにストロークする。荷重を掛けてコーナリングや、強めにブレーキングするとしっかりと支えてくれるが、乗り心地はノーマルサスと同等レベルと言える。
LSDも機械式とは思えぬなめらかな効きで駆動力を両タイヤに伝えてくれる。こちらもチャタリングとは無縁で、極めて自然に味付けられている。
軽快なコーナリングはホイールとマフラーの軽量化によるところも大きいと思われる。それだけで約25kgも軽くなっている。さらにホイールは剛性アップされた試作品のLMGT4ということで、タイヤが路面をきっちりと捉えてくれている効果もあるだろう。マフラーはオーバーハングの軽さにも繋がり、こちらもハンドリングの洗練に効果的。スカイラインNISMOをさらに磨き上げている。