日本市場への導入に期待したい新型SUV
日本市場からフォルクスワーゲン(VW)の大型SUVである「トゥアレグ」が姿を消して早7年。その人気は健在ながら中古車市場でも数が少なくなっています。そんななか、ヨーロッパでVWの新型SUV「タイロン(Tayron)」が発表されました。これまで中国市場専売モデルだったタイロンが、フルモデルチェンジした2代目ではグローバルモデルとして生まれ変わったのです。
力強いワイド感をアピール
フォルクスワーゲンが2024年10月の「パリモーターショー2024」で発表した新型SUV「タイロン(Tayron)」。先代型までは中国専用モデルとして販売されてきたが、2024年11月に欧州市場へ新型タイロンの出荷が開始され、アメリカでは新型「ティグアン」として「ロサンゼルスモーター2024」に登場。日本市場への導入は発表されていないが、その展開が待ち望まれている。
そんな新型タイロンとはどんなモデルなのか。フォルクスワーゲンでのポジションとしては、「トゥアレグ」(ラージサイズSUV)とティグアン(ミドルサイズSUV)の間に位置するアッパーミドルサイズSUVで、5人乗りと7人乗りが設定されている。
ボディサイズは全長4792mm×全幅1852mm×全高1660mm。トゥアレグ(全長4902mm)とティグアン(全長4539mm)のちょうど中間となる。SUVらしくフロントボンネットの位置が高く、フロントバンパーには大きく広がる開口部を備えている。
このフロントバンパーの造形はデザインラインによって異なり、スタンダードな「Life」、スタイリッシュな「Elegance」、スポーティな「R-Line」の3種類を設定。Eleganceではラジエターグリル内にクロームエレメントを使用し、R-Lineではブラックアウト化したエアグリルエレメントとしているのが特徴。これにデュアルLEDヘッドライトを組み合わせて個性的なフロントまわりを生み出している。
サイドセクションはシンプルな造形で、AピラーからDピラーまで延びる長いルーフラインが上品なシルエットを作り出している。リアは左右が1本のラインで繋がったテールランプと、全幅にわたって伸びるリフレクターが特徴。これらによって力強いワイド感をアピールしている。
よりどりみどりな充実したパワートレイン群
SUVらしい力強さのあるエクステリアから一転して、インテリアはシンプルで上質な空間に仕立てているのが特徴。運転席前には10.25インチのデジタルコックピットプロ、ダッシュボード中央に12.9インチのタッチスクリーンを配置。オプションでヘッドアップディスプレイと15インチの大型タッチディスプレイを選択することも可能となっている。
ラインナップは、エントリーモデルとなるマイルドハイブリッドの「eTSI」があり、フラッグシップモデルとして、204ps仕様と272ps仕様の2種類のプラグインハイブリッド「eHybrid」を設定。さらにガソリンターボエンジンを搭載した「TSI」と、ディーゼルターボエンジンの「TDI」をラインナップする。なお、eHybridには19.7kWhのバッテリーを搭載し、100kmを超えるEV走行を実現している。
最上級グレードのプラグインハイブリッド「eHybrid」以外では5人乗りのほか、7人乗りも選択可能となっている(eHybridは5人乗りのみ)。
また、5人乗りのラゲッジスペースは885Lの容量を確保しており、2列目シートを格納することで最大2090Lまで拡大可能となっている。7人乗りでは345〜1905L、プラグインハイブリッド「eHybrid」(5人乗り)は705〜1915Lとなる。
AMWノミカタ
現在、日本でのラインアップでは7人乗りが選べるのは、MPVの「ゴルフ トゥーラン」のみ。ここにSUVのタイロンが追加されれば、アクティブなライフスタイルを実践するファミリー層へのアピールは十分だろう。現行ゴルフの勢いがいまいちの日本市場で、タイロンが意外とブレークスルーするかもしれない。