トヨタ「ハイラックス」ベースのレンタル・キャンピングカーと別れの時
オーストラリア・ノーザンテリトリー州でトヨタ「ハイラックス」ベースのキャンピングカー、アポロ「キャンパーバン」をレンタルして、釣り人としてバラマンディの大物を狙う23日間の旅をレポート。仲間とフィッシングを満喫した後は国立公園を一人旅し、アリススプリングス空港で日本から来た妻と合流して、ウルル(旧称エアーズロック)を見学。そしていよいよ旅の終わりが近づいてきました。
ウルルからアリススプリングスの街へレンタカーを返却に
ついにこの日がやって来た。16日間の旅をともにしてきた相棒、「アポロ号」との別れの日である。走行距離はすでに5000kmを超えている。彼の献身的な頑張りがなければ、ぼくの旅はこれほど素晴らしいものにはならなかったはずだ。
今日の予定は、以下のとおり。午前8時半にウルル(旧称エアーズロック)のキャンプ場を出発。400kmの復路を走り、午後1時半にアリススプリングスに到着。ホテルにチェックインして荷物を下ろし、午後2時、町の郊外にあるアポロ・モーターホーム・レンタルにアポロ号を返却……。
じつは、ダーウィンでアポロ号を借りるときに、「返却は必ず●時まで」といわれたのだが、それが何時だか忘れてしまった。16日間、カバンに入れっぱなしだった書類を引っ張り出してみたが、時間の記載はない。こちらのショップが午後4時ごろに終わることは、これまでにも何度が経験していたが、まあ、2時を目指しておけば大丈夫だろう、という計算だった。
ここまで無事に旅を進めてきた。最後まで何事もなく、安全にフィニッシュしたい。それがぼくの願いだった。
タイムスケジュールが思い通りいかないのも旅の醍醐味……?
しかし、ひとりなら簡単だが、相手がいると計算どおりにいかない。それが旅行だ。とくに女性は、いくら説明しても時間がかかる。いきなり出発が9時過ぎになってしまった。給油時の休憩やランチも5分、10分と余計に時間がかかり、アリススプリングスに着いたのは、予定より1時間遅れの午後2時半になってしまった。
しかも、ナビが示す場所にホテルがない。近くにあったインフォメーションセンターで聞いて、なんとか到着。すでに午後3時になろうとしていた。
ホテルの前で荷物を下ろし、妻にチェックインを頼んでレンタカー会社に行こうと思ったが、「路上にクルマは止められない。先にチェックインして駐車場に入れてくれ」という。仕方ないので従ったが、駐車場は高さ2.2mまでしか入れない。誘導路の脇にアポロ号をピタリと止めて荷物を部屋に運び入れると、電話が鳴った。
「モーターホームはどこにあるの? もう3時よ!」
レンタカー会社からの催促で、それもかなりケンカ腰である。
「すみません。市内にいるんで10分でいきます」
「オフィスは3時半に閉まりますからね」ガシャン!
最後の最後にアクシデント!
急がないと返せなくなる!
狭い駐車場の誘導路でのUターンは、ひとりでは無理だ。駐車場に引き返し、妻に見てもらいながら、何度も切り返してUターンしようとするが……。
ガン!
フロントのオーバーハング部が2.2mのバーにぶつかってしまっ
「どこを見てるんだ!」
ぼくが怒鳴ると、「後ろを見てた」と妻。
「前に進んでいるのに、後ろを見る奴がいるか!」
ぼくは、完全にキレてしまった。
ここまでなんの事故もなく来たのに、こんなことでクルマをぶつけるなんて……。そう考えると悲しくなったのだ。
どうにか「アポロ号」の返却完了
なんとか駐車場を出てレンタカー会社に急ぐ。ナビの表示では7分だ。ところが、指示の場所に着いてもオフィスはない。考えられるのは、移転だった。ナビが古い位置を示した可能性はある。
あわてて電話をするが、留守番電話になっている。3時半を過ぎてしまったのだ。今日中に返せないかと思うと、また悲しくなった。幸い、翌日のメルボルン行きのフライトは昼過ぎだ。正しい場所さえ確認しておけば、朝イチに返却できる。超過料金は発生するだろうが、それが考えられる唯一の方法だった。
気を落ち着けて、アポロ・モーターホーム・レンタルのホームページで住所を調べていると電話が鳴った。
「違う場所に来てしまったようなんです」
「1年前に移転したのよ」
正しい住所を聞いてナビに入力し直すと、さらに10分ほど北に行ったところだった。午後4時、なんとかレンタカー会社に到着。待っていてくれた女性スタッフに何度もお礼をいった。
「事故はなかった?」
ラッキーなことに、ぶつかった箇所はちょうど運転席側の角で傷は
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