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自分でコツコツ仕上げたマツダ「ファミリア R100 ロータリークーペ」で長年の夢だった「スパ」を走った!…欧州のクルマ好きに伝えたかったこととは?

マツダ ファミリア R100 ロータリークーペ:フロントにマーシャルの補助灯を付けている

スパ・クラシックレースにR100 ロータリークーペで参戦

「コスモスポーツ」に続き、マツダにとって2台目のロータリーエンジンを搭載したのが「ファミリア ロータリークーペ」でした。排気量は982ccながら2L並みの速さを誇った同車は、ロータリーエンジンの耐久性をアピールするためにヨーロッパの長距離耐久レースに参戦し結果を残しました。今回は箱車の祭典2024に参加したマツダ「ファミリア R100 ロータリークーペ」を紹介します。

箱車の祭典とは?

箱車の祭典では、2つのクラスが設けられている。クラス1は1990年までの純レーシングカー(主催者判断による)で、クラス2は1990年までの市販車ベース車両(主催者判断による/ロールケージ、消火器など安全装備も含み走行前に車検あり)だ。前者はグループCカーやGCカーなど、後者はツーリングカー、TS、ワンメイク車両などが対象となる。

リトルジャイアントと呼ばれた当時の仕様を忠実に再現

1970年のスパ・フランコルシャン24時間レースに参戦し、ヨーロッパの格上マシンを相手に一時総合トップを走ったマツダ「ファミリア R100 ロータリークーペ」。

優勝を目前にしながらトラブルが発生し、残念ながらファミリア R100 ロータリークーペは勝利を逃してしまったが、その活躍に感銘を受けたファンが多く、リトルジャイアントと呼ばれた当時の仕様を忠実に再現したモデルが複数存在している。

加藤 仁さん(1947年生まれ)の愛車もその中の1台で、箱車の祭典2024で走らせたR100ロータリークーペは20年ぐらい前に購入。JCCAのレースで走っているうちに今回ドライバーを務めた土井清壮さんと知り合ったそうだ。

「若い頃にR100 ロータリークーペにオーバーフェンダーやスポーツキットを装着して走っていましたが、車検を通せず、公認を取ってジムカーナを楽しんでいました。そんなときに1970年スパ24時間のリザルトを知り、いつの日か自分もR100 ロータリークーペでスパを走ってみたいと思うようになりました。1984年からJCCAのレースに別のR100 ロータリークーペで参戦するようになり、ジムカーナ用のパーツやスポーツキットを組み込みつつ、自分でエンジンをオーバーホールしたり、キャブを交換したり、といったように、いろいろ手を加えながら当時のレースカーの仕様に近づける作業をコツコツ進めました」(加藤さん)

ベルギーに遠征してスパを走った!

加藤さんが率いるチームは実際にベルギーに遠征。2015年のスパ・クラシックレースにR100 ロータリークーペで参戦したことがあり、そのときの話も加藤さんに詳しく伺ってみた。

「マツダのシニアフェロー・ブランドデザインとして活躍している前田育男さんが友人ということもあり、2015年にマツダの支援を得られて、R100 ロータリー クーペをスパに持っていくことができました。9月20日に開催されたヒストリックカーによるスパ6時間レースのサポートイベントであるスパ・マスターズ70’sセレブレーションレースにエントリーし、マツダが1970年にスパ24時間で世界を驚かせたこと、その技術が1991年のル・マン優勝につながっていったことなどをヨーロッパのクルマ好きに伝えることができました」

マツダ・オーナーの鑑だといっていい加藤 仁さんから、再び往時の華やかなエピソードを伺えたら幸いだ。

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