ドイツのキャンピングカーブーム最前線
キャンピングカーといえばアウトドア派の憧れ。ドイツ・ミュンヘンで2025年2月18日~2月22日に開催されたイベント「f.re.e 2025」には、そんな夢の詰まった最新モデルが集結しました。その会場では、日本では見かけない車種やカスタムパーツの数々に驚きの連続。実際にキャンピングカーを持つとどんなメリットがあるのか? 旅行だけじゃない意外な活用法とは? 気になる現地の様子をお届けします。
日本では見られないキャンピングカーのベース車両たちがずらり
「f.re.e 2025」ではさまざまなブースがありますが、キャンピングカーが展示されているホールが一番気になっていました。以前からとても興味を持っていたキャンピングカー。とくに私の生業のモータースポーツの現場では非常に重宝すること間違いありませんし、仕事車として利用している方も多いです。キッチンのほかにシャワーやお手洗いが付いていると、サーキットから遠く離れたホテルと毎日往復する必要がなく、コースサイドにあるキャンピングカーの駐車場で寝泊まりできるのでとても羨ましく思っていました。
ドイツでも日本と同様、コロナ禍以降に旅行制限が厳格化されてからというもの、キャンピングカーを購入する方が非常に増え、そのブームは今も続いています。日本ではアウトドアの用途の他にも、災害が起きた場合の避難所代わりにもなりますので、その存在が注目されているのは言うまでもありませんね。
日本でもフィアットやメルセデス・ベンツなどがベース車両のキャンピングカーはお馴染みですが、フォードやフォルクスワーゲン、ルノーやシトロエンなど、日本で販売されているキャンピングカーとは違ったベース車両を見るのも新鮮でした。イベント期間中の展示販売価格でずいぶんと安くなっているクルマもあり、売約済の紙が貼ってあるものも見かけました。価格は7万ユーロ(約1100万円)前後が売れ筋なのか、その価格帯のクルマが多く展示されていました。
キャンピングカーがファミリー層に人気の理由とは
めちゃくちゃゴージャスなタイプから庶民も頑張ればなんとか購入できるタイプまで、さまざまなモデルがありましたが、実際に見るとやっぱりゴージャスな方が欲しくなってしまいますね。購入資金がまったくないのに、購入をお考えの方々が熱心に説明を聞いておられるのを目にして、私も買うこと前提で来たような気分になってしまいました(笑)。
とくに赤ちゃんを抱っこした若いご夫妻が目立ったような気がします。赤ちゃん連れでは電車や飛行機は荷物が多くて大変ですし、大きな物音や大勢の大人に囲まれて怖くて泣いてしまうかもしれません。また、夜泣きがあった場合などもご両親は隣室の方に気を遣うので、リフレッシュのつもりが逆にぐったりとしそうです。シャワーやトイレ、ミニキッチンも付いていますし、赤ちゃんや小さなお子さんをお連れの方には、キャンピングカーの旅はぴったりかもしれませんね。
日本では器用な方々がDIYでステキな内装を手作りされている様子をYouTubeで見かけますが、ドイツではキッチンやベッドなどを別途購入して、ご自身で取り付けられるようです。その専門店も盛況でした。もしもバンタイプのクルマをすでにお持ち、もしくはこれから手に入れる予定で、ご自分のスタイルに合ったクルマをつくろうと思っておられる方には最適ですよね。
見れば見るほど想像が膨らむ魅惑の世界
ほかにも蚊よけのネットやキャンピングカー内の浄水システム、トイレなどなどパーツ類を見ているだけでも楽しくて、自分がキャンピングカーを購入できるのならばどんなクルマがいいかな? なんて想像が止まりません。とくに若い男性らが多く集まっておられたのは、イケてるワイルドな感じのアレンジができるパーツ屋さんでした。
ところで、私は大きなバンタイプもキャンピングカーも運転したことがないのですが、あれだけの大荷物を積んでしっかり運転できるのか、何よりも自分の運転技量が心配になります。
キャンピングカーも自家用車や住宅と同じで上を見たらキリがなく、良いものを見るとなかなかシンプルな造りのクルマをもう一度見に行く気がしなかったりと、購入を検討の方にはかなり悩ましいだろうな、と思いました。予算をきっちり決めて行かないと天井知らずになりそうです。
このキャンピングカーの展示ホールは2つだったにも関わらず、すべてを回り切れず残念でした。毎年デュッセルドルフではものすごく大きなキャンピングカーのイベントが開催されているようなので、いつか見に行ってみたい気分になりました。