日本に「スペシャルティカー」という概念を持ち込んだのがセリカだ。バブル期に全盛を迎え、世代を重ねていくことになる
個性的なカラーリングも目を引くセリカは、初期のイメージカラーは青緑色のメタリック「オリオン・ターコイズ・メタリック」だった。全8色のなかでも、今もファンからの根強い人気を誇るのが、この「イエロー・ポリマ」だ
コークボトルラインと呼ばれるロングノーズ&ショートデッキのフォルムが当時の人気は最高グレードのGTで、STやLTなど下位グレードは現存数が極端に少ない
1600GTのリアビューは、車幅いっぱいまで使い表現されたリアコンビネーションランプが特徴的
リフトバック。ここからセリカシリーズ3ドアの歴史が始まった(写真は社外ホイールを装着)
リヤがトランクからハッチバックへと変化し、丸くまとまったテールデザインからシャープな印象に
クリクリとした4ツ目はそのままに、ちょっとワルな気配を帯びた表情へと変貌
5本にわかれたリアコンビネーションランプがバナナの房に見えることから「バナナテール」とも呼ばれた
1600GTのエンブレム。カラーの奥がリフレクターになっており、光があたるとキラキラと反射する
前期型はシフト前方に時計を配する。クーペのステアリングは革張りの3本スポークで、言葉どおり「インテリア」という印象が強い
1600GTのスピードメーターは200km/hまで刻まれている
1600GTのシフトノブはブラック一色で樹脂製。ツルツルとした手触りだ
フロントシートはヘッドレスト一体型のバケットタイプ。背面には大きなポケットが用意されている
ボンネットのダクトは、クーペは片側4個で四角い穴が隙間なく並べられている
当時、バンパーは独立したパーツであり、ボディから大きく外にせり出している形状が一般的だった。それをセリカはボディと一体化している。これも斬新だ
リヤガーニッシュを開くと現れる給油口。クーペでは、後に改良でCピラーへと移された
リフトバックのステアリングは、左右に大きく2つに伸びたスポークが、さらに2分割されたような独特のデザイン。先進的なコクピットという雰囲気だ
LBのシフトノブは革張りで、Hパターンはグリーンの地が敷いてありオシャレ感を演出
スピードメーターの目盛りはLB2000GTが220km/h。のちに全日本富士1000kmレースで優勝したのもうなずけるポテンシャルが垣間見える
3連メーターは、右から燃料計、水温計、電流計と油圧計のコンビ。スポーティな印象を与えるインパネだ
LBの座面とシートバックにはリングを装着。リアシートもヘッドクリアランスを確保するため、LBはクーペより座面が凹状だ
LBのラゲッジルームは、右側にスペアタイヤを縦に搭載する。決して深さはないが広く、カタログにはワゴンのようなイメージの写真も掲載。後席シートバックは可倒式だ
エンジンに取り付けられた18R-Gのエンブレムは、どこか誇らしげ
1.6Lの2T-G型と2Lの18R-G型の両DOHCユニットには、ソレックス製40PHHキャブレターを装着。ツインキャブだから気筒間吸気干渉を抑制
LBのエアダクトは、ひとつひとつが緩やかな台形で、片側に3つずつ均等に並んでいる
中央のブラックに塗装されたリアガーニッシュ部分をあけると……
パカっと手前にひらき、前期型と同様に中から給油口が現れる
クーペに比べ、ボンネットが前にせり出しちょっとワルっぽく見せるデザイン
エンブレムのデザインも少し変化し外枠が追加されたほか、リフレクターも細かくなっている
1969年に開催された第16回東京モーターショーに出展した「トヨタEX-1」。リフトバックのようなフォルムで、車高の低さは驚愕的。翌1970年10月にセリカが登場する
写真中央手前にあるのが1971年に開催された第18回東京モーターショーに参考出品された「トヨタSV-1」。量産モデルとシルエットはほぼ同じだ
2T-G型1.6L直4DOHCエンジンは、最高出力115ps/最大トルク14.5kgmを発揮。OHVエンジンベースだが、シャープで軽快な回転フィールを提供
18-R型2L直4DOHCエンジンは、最高出力145ps/最大トルク18kgmを発揮。2T-Gに比べると排気量が大きい分、フラットなトルク曲線を描いている
「兄弟」とは言いつつも、ゴツゴツとした直線的なデザインのカリーナとは対象的に、セリカはやわらかく曲線的なイメージだ
「だるま」の愛称でも知られる初代セリカ。ふっくらとしたボディーラインや、フロントバンパーがヒゲに見えることなどからそう呼ばれるようになった