前年までのヤードレイ(化粧品)からマールボロ煙草にタイトルスポンサーが変わり、お馴染みの白と赤のマールボロ・カラーをまとった1972年のBRM P180。こちらの展示パネルもBRM P160 Eと意味不明だ
右サイドのタイヤ、3本を外してサスペンションなどを視易い展示方法とした1976年のティレルP34。この角度から視るとフロントノーズの薄さが一層際立っていることに気づく
13年ぶりに訪れたジンスハイム交通技術博物館で、当時と変わらず別館の、天井近くの壁に貼り付けられて展示されていた1978年のコパスカー・フィティパルディF5A
丸みのあるウイングレスのノーズに、フロントサスペンションのアッパーアームをウィング形状のケースでフルカバード。1979年のアロウズA2は他とは一線を画したスタイリングが大きな特徴となった
トランスミッション上部にオイルクーラーをマウントし、エンジンはフルカバー化。そのサイドパネルを伸ばしてリアのウィングをマウントする。アロウズA2は、フロントだけでなくリアビューも斬新だ
前年で活動を休止したウルフ・レーシングを買収して体制を強化したコパスカー・フィッティパルディが1980年にリリースしたF7はアルミのハニカムパネルで構成したモノコックが大きな特徴となった
こちらも13年前から、この博物館で「余生」を過ごしていた1987年のウィリアムズFW11B。赤いゼッケン#5はナイジェル・マンセル車。シーズン6勝を挙げている
1989年のザクスピード891・ヤマハの隣に展示されていた1987年版のザクスピード直4ターボ。コンパクトにまとまってはいるものの、だからこそ熱害が大きな問題となったのだろう
やはりリニューアルで登場した1989年のマクラーレンMP4/5。前年を限りにターボが禁止され、ホンダが新たに開発した3.5L V10を搭載。アイルトン・セナとアラン・プロストが計10勝を挙げ王座に
13年前に訪問した際にも同様に展示されていた1989年のザクスピード891。クルマの展示プレートはなぜか1987_Zakspeed 871と間違っていたが、これも13年前と同様だった
こちらも13年前からコレクションの一員となってきた1991年のジョーダン191。マシン発表時のネーミングは911だったが、ポルシェからのクレームにより191に変更されたのは有名なエピソードだ
リニューアル以前から、この博物館において「余生」を過ごしてきた1991年のウィリアムズFW14。展示プレートには1992年とあるが、1992年にはFW14Bに進化しているので、ここでは1991年と表記
リニューアルで新たに収蔵展示車両に加わった1992年のダラーラ-BMS192。前年のジャッドV10からフェラーリV12にコンバート。期待は高まったがパッケージ的にリアが重く、苦戦を強いられた
ドイツ・モーターワールド・ケルンの一角にあるミハエル・シューマッハ・プライベート・コレクションでは初タイトルを得た1994年のベネトンB194を筆頭に、彼がドライブした数々のマシンを展示
ジンスハイムのコレクションでは多数派となったザウバー。イルモア製V10エンジンのブランドがザウバーからメルセデス・ベンツに代わった1994年のザウバーC13も新たにコレクションに加えられていた
こちらもリニューアルで収蔵展示車両となった1995年のベネトンB195。前年に初めてチャンピオンとなったミハエル・シューマッハが9勝を挙げ2連覇を果たし、ベネトンに初のタイトルをもたらしている
シャンパン・ゴールドをベースに黒いB&Hのロゴが映える1996年のジョーダン196は、13年前からコレクションの一員だった。表彰台には一歩届かなかったが、入賞多数でランク5位に
こちらは新たにコレクションに加えられた1996年のウィリアムズFW18。デイモン・ヒルとジャック・ヴィルヌーヴがドライブして16戦中12勝を挙げ、ダブルタイトルに輝いている
マールボロ煙草からウエスト煙草にタイトルスポンサーが切り替わった1997年のマクラーレンMP4-12も新たにジンスハイムのコレクションに加えられていた
これもリニューアルによって新たに加わった1998年のザウバーC17。ペトロナス(フェラーリ)のV10にコンバートされて2シーズン目でモノコック自体は一新されたがキープコンセプトで開発されている
やはりリニューアルによって新たに収蔵展示車両に加わった2000年のザウバーC19。ミカ・サロが4回入賞しランク8位に。#16はペドロ・ディニスがドライブした
シュパイヤー自動車博物館でのF1GPマシンは、入場ゲート前に展示された2001年のザウバーC20が1台のみ。F1GPマシン目当てなら入場券も買わずに、このザウバーを見ただけで帰るのもありか!?
BMWにコンバートして2シーズン目となった2001年のウィリアムズFW23も、新たにコレクションに加えられた1台。ラルフ・シューマッハとファン・パブロ・モントーヤで4勝を挙げランク3位に
ジョーダン・グランプリとしてホンダ・エンジンを搭載する最後のマシンとなった2002年のジョーダンEJ12も新たに登場。佐藤琢磨のF1GPデビューも大きなニュースに
こちらもリニューアル後に収蔵展示車両となった2002年のザウバーC21。ニック・ハイドフェルドとルーキーのフェリペ・マッサがドライブし、7回の入賞を果たしてランキング5位に
今回の取材行で最初に遭遇したF1GPマシンはドイツ南西部、フランス/スイス国境にも程近いシャランベルクにあるシュテイム自動車コレクションに展示されていた2005年のトヨタTF105
やはり13年前からコレクションに加えられていたBMW-ザウバー。展示プレートでは2007年のF1.07とあるが、サスペンションの形状などからエンジンをBMWに載せ替えたテストカーのC24だろう
ジンスハイム交通技術博物館の別館では、収蔵展示されたF1GPマシンの質と量だけでなく、3台のF1GPマシンが天から駆け下りてくる、大胆な展示スタイルが強烈な印象を与える
毎月第一土曜日に無料開放されるドイツ・トヨタコレクション。今回はル・マン・カーやラリーカーとともに展示モデル仕様のカラーリングをまとった2002年のTF102が登場していた
戦後に始まった現行のF1GPが、まだまだ黎明期だった1956年に登場したマセラティ250F。エースのスターリング・モスが2勝を挙げファン・マヌエル・ファンジオ(フェラーリ)に次ぐランク2位に
トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパ(TGR-E)では開発モデルのTF101から、活動休止によって実戦参加が叶わなかったTF110まで歴代のF1GPマシンと対面できた
反対に、少数派のフェラーリは13年前と同様に、エンジンを伝統のV12からV10にコンバートした1996年のフェラーリ648、通称「F310」が孤高の座を守る恰好となっている